生フォーを、つくっている。
もともと、北千住のPho Hanoiの開店をきっかけに、はじめたものだ。
ある、1昨年の展示会で、米粉米粉米粉!!と、各社、大々的にブースを出していた。
それを見て、「あ、そうか、フォーの乾麺や、バインセオの粉は、全部今は輸入品を
使っているけれど、日本の米粉を使ってもいいのかな」と考えた。
日本の農家の人達にも少し貢献してもいいのではないか。日本のお米がなくなったら困る。
それに、遠くから、運んで来るのはやっぱりEcoじゃない。
もちろん、ベトナム料理屋だから、ベトナムの人たちのお役にも立ちたいし、
どうしてもベトナム産じゃなければ、というものは沢山あるけれど、
お米だけは日本でも、良いのではないか?
最近、テリー伊藤氏のCMでもおなじみの、みんなで食料自給率UP! の
Food Action Nippon に、わが社も去年から参加している。
http://syokuryo.jp/index.html
ある大学の論文の題材にも活用頂いている。(若い学生さんとの交流は、
ベトナムのすそ野を広げるのにピッタリだと思っています。)
ベトナム本国で食べる、生のフォー(ベトナムで作られる乾麺は、通常、
輸出用だ)。ベトナムでは、皆、生麺を食べる。
家ではあまりフォーはつくって食べない。つくるとしても生麺が、どこでも買える。
だから、我々ベトナム料理屋にとって、生麺には、特別の思いがある。
他に、生麺を出されているお店さんたちも、「向こうと同じものを日本の
皆さんにも紹介したい」という気持ちからだと思う。
と、いうことなのであるが、実際、苦労の連続だった。
Food Action Nippon に参加されている企業さんの中には、米麺を製造されているところも
いくつかある、が、作り方が違う。うどんのように、押し出したり、こねたりして、圧をかけて
つないでいるのである。(これだと、うどんのような食感になる。しこしこするので、フォーとは
ちょっと違う製品だ)
我々は、ベトナムと同じやり方を採用している。しかも、機械を使わない、手作りだ。
大きな専用の鍋に布を貼り、1枚1枚蒸して、広げ、乾燥して、カットする。そのやり方だ。

(現地で見てきたのは、こんな感じ)
それだけなら、手間が多少かかるだけ、とも割り切れるが、問題は、なかなかつながらないことだ。
日本のお米と、ベトナムのお米は成分が違う。
ぶちぶち切れたり、やわらかすぎたり、沢山の失敗をした。
一部のお客様には、試行錯誤の期間は、ご迷惑もかけてしまった。
つなぎに関してもう少し触れると、小麦成分を入れることは止めた。グルテンというものだ。
小麦フリーを目指す、というのもあるが、我々の製法では、入れても、
つなぐ役割を果たさない、という結論だ。
代わりに、100%国産は、ひとまず置いておいて、一部、現地米を、使うことにした。
100を求めて、0になっては、意味がない。
現在も、まだ進化中である。
ベトナムとほぼ同じものが、出来るようになるかは、分からない。(日本米が混ざるなら、100%同じはあり得ない)
ただ、同じようものができたとしても、もともと麺文化が大変発達している日本において、
コシがなく絹のようにやわらかい・・が理想とされる”ベトナムの生麺”が受け入れられるかは、もっと、分からない。
でも、確かに生麺は、ベトナムで欠かせないものだ。この麺には、このスープ、この組み合わせしかない、と、愛されている。
国内の蕎麦屋で、乾麺を出すなんてありえないのだが、海外では乾麺が主流であろう。日本食が本格的に浸透している、先進国で、以外は。
だから、日本でのフォーも、ベトナム料理が、きちんと浸透したら、そのようになるのではないか?浸透してきたら、生麺が、台頭して来るのではないか?将来は?
私達にとって、どのようなゴールを狙うべきかは、まだ決めてはいない。
日本の自給率についての取り組みは、ちょっとお休みして、”ベトナムと同じ”だけに
最初はこだわってもいいのかもしれない。向こうの米粉100%で。
もしくは、うどんと同じの、押し出し式で、かつ国産100%でも、しなやかなフォーらしいものが、開発されるかもしれない。
決めるのは、早すぎても、遅すぎても、いけない。これまで諸先輩方から教わってきたことの1つだ。
いつも例えに出す、スポーツでだって同じだし、いろんな歴史を辿っても、その通りだと思う。
もうしばらくは、考えながら、いつでも全力疾走出来るように、アップは万全でいる、という状態で行ってみようと、思う。
先週出来た麺は、こんな感じだ。
新宿ミロードの、Banh Xeo Saigon店でも、麺が選べる(もちもち米麺 Or つるつる乾麺)
ようになりました。ランチでもディナーでも!
