(c)yukiko aoki ヴィン・モック・地下トンネル資料館にて(2010年)
(c)yukiko aoki 写真を撮っていたら急に心臓がどきどきしてきました。
ベトナム戦争の最前線であったクアンチ省にあるヴィン・モック・地下トンネルの資料館に行きました。フエから日帰りで行ける場所にあります。稲刈りを終えつつある田園風景をいくつも通り抜けて、フエとは違うカラッとした空気と青い空が広がっていました。資料館に着くと若い世代のベトナム人グループも見学に来ていて熱心にガイドを聞いていました。
ミサイルなどの展示物はとても冷たく怖いものに感じました。戦時中のモノクロ写真には、地下トンネルでの生活を写したものも多かったです。
(c)yukiko aoki ごはんを炊く道具。当時のお茶碗も。
(c)yukiko aoki エントランス中央にあるレリーフ。
空と海から攻撃を受け、たわわに実ったココナッツの木は折れたまま。かがみながら物を運ぶ女性、じっと耐える村人たち、病気で注射を受ける子ども。
ランプの灯りの下、手作業でトンネルを掘る人。じっと静かに支えあう子どもたち、生まれたばかりの赤ちゃん。戦士たち。
(c)yukiko aoki ヴィン・モック・地下トンネルマップ。
Địa đạo Vĩnh Mốc Vinh Moc Tunnel :
ジュネーブ協定(1954年)で、ベトナムは北緯17度線を境に北と南に分かれました。その境界線に流れるベン・ハイ川の北と南5km地帯を非武装地帯(DMZ)にしましたが、その周辺は激戦地となり、ヴィン・モック村の人々は身を守り生活をするための地下トンネルを掘りました。
(c)yukiko aoki アメリカ軍が投下した爆弾(不発弾)。
私の背丈よりも高いものもあって驚きました。どれくらいの音や勢いだったんだろう…。ここに置いていて強風で倒れないのかな?と思ったのですが、きっと想像以上に重いのでしょう。戦争の恐ろしさを知らない日本人の私は、同世代の戦中戦後を知っているベトナムの友だちから教わることはきっと、多いはずです。
海からの風が竹林をここちよく通り抜けていました。涼しげな風の音と対照的に地面からの照り返しがむせるほどに暑かったです。
(c)yukiko aoki NO.3 地下トンネル入り口へ。
ホーチミン郊外にあるクチトンネルよりも大きな入り口で、少し前屈みになれば入れます。つづく。