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ホーチミンの水道管修理

release : category : サイゴンノオト

シンチャオ! サイゴンノオトのことりんです。
ベトナムに5年間住んでいたと話すと
「ベトナムでの暮らしって、どんな感じ?」と、よく聞かれます。
でも、一言じゃ語り尽くせないのがベトナム生活。
今回は、ホーチミンで遭遇した、ちょっとした家のトラブルについてご紹介。
「ベトナムに住まう」の雰囲気を感じて頂ければ幸いです!

ある日、夫と夕飯を食べていると「ガタン!」と大きな音が。
明らかにキッチンから聞こえましたが、外傷が見当たりません。
もぐもぐご飯を食べながら「お隣りさんじゃない?」と言う夫に
「そうかもねぇ」と回答しながら、何気なくシンクの下の扉を開くと…

水道管の一部がすっぽり外れ、大量の水漏れが・・・

大慌てで、日本から持ってきた大切な食材や乾物等、入れていたもの全てを避難させ
すぐにセキュリティスタッフに来てもらい、状況を説明しました。

その場で携帯から修理会社に電話をかけてくれたのですが
今日は遅いから修理に来るのは明日になるとのこと。
少しベトナム語を勉強していたので
「Ngay mai luc may gio?」(明日、何時?)と聞くと
「Buoi sang. 8 gio」(朝だよ。8時)とセキュリティのお兄さん。
電話での会話で『8時』とも『朝』とも言ってなかったよ… と不安に思っても
それを伝えられるだけの語彙力がない私は、明日を待つしかありません。

明日修理の人が来るという保障もなく、来たとしても直る保障もないので
その日は仕方なく、バスルームにある洗面台で食器を洗いました。

そして、翌朝。
一応8時まで待ってみたものの、予想通り(?)誰も来ません。
ハウスキーピング係をつかまえて事情を話すと
「オーケー!オーケー!」とすぐに修理工らしいお兄さんを連れてきてくれました。

黒い大きな鞄を持ったお兄さん。
その鞄から何を出してどうやって直すのか、ちょっとワクワクしながら見ていると…
素手でおもむろに外れた水道管をはめ込み
グググっと押しこんだり、ちょっと回したりした後で
『OK マダム!』と、とびきり爽やかな笑顔。
 

「えっ!まさかこれで直ったとか言わないよね?」
 

驚きを隠せない私を尻目に、修理のお兄さんも、ハウスキーピングスタッフも超真面目な顔で
「OK、マダム。終わった」の一点張り。
「Em nghi la ngay mai do vo lai(明日また壊れると思う)」と言っても
2人共笑って「大丈夫、大丈夫!バイバーイ」と帰ってしまいました。

そんなぁ…と思っていると、アパート完成時から住んでいる
在住歴5年目の日本人マダムに遭遇したので、事情を説明。
すると
「あぁ、あれたまに外れるから気をつけた方がいいよ~。直すのもいっつもそんな感じ~」

そのアパートには、その後も2年間住みましたが
水道管が外れたのは、あの時だけでした。
「お兄さんの素手修理は意外と捨てたモンじゃない」
ベトナム生活で学んだ教訓の1つ(?)ですが
あの黒い大きな鞄は何のために持ってきたのかという謎は、未だに解決せずです。