シンチャオ! サイゴンノオトのぴょんこです。
ベトナムについて紹介する本はたくさんありますが、中でもとりわけユニーク!と思われるのが、
宮田珠己さんが著されたこの『ふしぎ盆栽ホンノンボ』(講談社 2011年)です。
旅をされながら、旅行記やエッセイを綴られる宮田さんが、ハノイのホテルで「ヘンな岩」に出会うことから、このエッセイははじまっています。少し引用させていただくと…
~ふと、その岩が気になったのは、そこにミニチュアがのっていたからである。陶器でできた家や、五重塔のようなものが、岩のあちこちにのっていた。そのせいで岩が、山か島のように見える。箱庭のつもりだろうか。
─きっとホテルの従業員が、ふざけてこんなのをのせたのにちがいない。
私は岩のまわりをぐるぐると歩いた。
それは、全く子供じみていて、大人がこれを作っているところを想像してみると、その光景はとてもマヌケに思えた。マヌケで、そして、とてもナイスだ。ドーソンの海よりはるかに面白い。~
とあり、宮田さんがこのヘンな岩「ホンノンボ」に最初からワクワクしていたことが伝わってきます。
島と山の景観をミニチュアで具現化した「ホンノンボ」は、私もこの本に出合う前から時々目にしていました。
こちらは、ホーチミンの教会の庭に置いてあったホンノンボです。
宮田さんによれば、このように、水を張った鉢のなかに、島のように岩があり、そこにミニチュアがのっている、というのがホンノンボの特徴だそうです。
マリア像を置いているのが、何とも教会らしいですね!
こちらはホーチミンのペット屋・植木屋通りで見かけた、ホンノンボ屋さんの店先。
鉢、岩、植物、人物や動物・東屋などのミニチュアがセットになって売られています。
水が階段式に流れていくカスケードまであります。
ミニチュアが盛りだくさんです。観音像、鶴、東屋、塔、橋、鹿…。
分りにくいですが、三蔵法師の姿も見えます。
箱の中にぎっしり並んだ陶器のミニチュア。
ここからお気に入りを探すのは楽しそうですね。
とら太が以前紹介していたフェーヴに交じって、馬に乗った三蔵法師像などもありました。
ホンノンボに使うとおぼしき植物。
店内では、バイクヘルメットをかぶったままの男性が品定め中。
ホンノンボの愛好家には、大人の男性が多いそうです。
宮田さんのご著書では、本物の岩や植物を用いた、本格的で情緒のあるホンノンボもたくさん紹介されています。
ご興味が湧いた方は、ご覧になってみてくださいね。