シンチャオ! サイゴンノオトのぴょんこです。
ベトナムで街を歩いていると、店先や民家の軒先にごちそうがならんだテーブルを見かけることがあります。
ホイアンを訪れたこの日も、すごいごちそうを見かけました。
川岸に置かれたテーブルに、二人の男性がごちそうや飲み物、紙製の冥器を並べています。
冥器とは、故人に捧げてお供えし、やがて燃やして供養するためのもので、
紙幣や衣装、馬を模ったものから、最近人気のものではスマホやバイク、ベンツや大きな家などを模ったものがあります。
彼岸の世界に行っても、ご先祖さまが困らないようにと、遺族が用意をされるのですね。
お花も飾って、とても豪華ですね。
山盛りのさまざまなごちそうは、祖先を弔い、豊穣を祈るためのものだそうです。
今日はスーパームーンが見られるという満月の日です。
旧暦に沿って暮らすベトナムの人たちは、月の満ち欠けを見ながら、
菜食の日を過ごしたり、ごちそうを供えたりという風習を守ってきたのだそうです。
川岸に停泊中の船のうえにも、お供えのごちそうが並んでいます。
船でお仲間に食事を届けにきたものと思っていたら、船上のお供えでした。
そしてこちらは街中のレストランの店先に並んだ冥器とごちそうです。
色とりどりの紙の馬には、旗や鞍なども装備されています。
歩道に置かれたごちそうは、果物や芋類、魚の姿揚げや揚げ春巻き、スープから麺料理までとフルコースです。
ほかのテーブルの上にも、衣装とおぼしき冥器や菊の花、そして山のように盛りつけた肉料理などが見られます。
このあとしばらくしてからまたこのお店の前を通りかかると、お店のスタッフとおぼしき男性が鉢に火を焚いて冥器を燃やしていました。
この日、残念ながら満月は見えませんでしたが、ランタンの灯りがとてもきれいでした。
川面に映った色とりどりの光が揺れて、とても幻想的。
一大観光地であるホイアンは、年間を通して海外からたくさんの方が訪れますが、
その土地の人々の暮らしは変わらずに、静かに守られていてほしいなあと、美しい夜景を見ながら思いました。