シンチャオ!サイゴンノオトのわん吉@台湾です。
ひとつ雑学クイズです。
台北の地下鉄にて。「次の駅は○○です」という車内アナウンスは何種類の言語で放送されるでしょうか。
答えは4種類。1) 公用語である中国語、2) 客家語、3) 台湾語、4) 英語です。ターミナル駅では5)日本語が加わることもあります。
台湾にはいろいろな民族が暮らしている証ですね。学校では中国語で授業が行われますが、家では台湾語を話すというバイリンガルも多いです。
さて、客家語を話す客家(ハッカ)人は台湾の人口の12%ほどといわれています。勤勉な民族として知られ、自分たち固有の伝統文化を大切に育んでいます。
たとえば、台湾雑貨として人気のある花布は客家文化のひとつ。昔は布団カバーなどによく使われていたそうです。レトロでかわいいですね♡
客家に伝わる栄養満点のお茶・「擂茶(レイチャ)」づくりを体験
そんな客家に古くから伝わるお茶があります。
擂(す)るお茶と書いて「擂茶(レイチャ)」。その名のとおり、すり鉢でゴリゴリ擂って作るお茶です。先日、客家のおばちゃん指導のもと、擂茶づくりを体験してまいりました!
何を擂(す)るのかというと、ご覧のとおり、胡麻やピーナッツやかぼちゃの種やくるみといった雑穀や豆やナッツなど。これらをおばちゃんが持っている長いすり棒ですります。
ゴリゴリ、ゴリゴリ、ひたすらゴリゴリ。
雑穀も豆もナッツも硬くて硬くて…。額には汗が…。しびれる腕を回し続けるのはまさに筋トレ。小一時間するとようやく滑らかになってきました。
おばちゃんがお茶の粉とお湯を加えてひと混ぜし、「がんばったね、できたよ!」と。
揚げたお米を数粒入れて、擂茶が完成!やった〜♡
一口いただくと、まさに栄養たっぷりのスープという印象。それもそのはず、材料となっている雑穀も豆もナッツもお茶もどれも栄養素の高いものばかりです。身体の隅々にまで森の養分が行き渡ったような、もしかするとがんばってすり続けたからかもしれませんが、清々しい気分になりました。
擂茶の起源は、さかのぼること1800年前の三国時代という説が一般的です。将軍率いる軍の兵士たちが疫病で弱っていたのを見て、村の農民が茶と生姜と米をすりつぶしてお湯を注いだ先祖代々の擂茶を作ったそうです。それを飲んだ兵隊たちが元気を取り戻したことから、擂茶が広まったともいわれています。
客家の暮らしを今も守り続ける老街「北埔(ベイプー)」
わん吉が訪れたのは、新竹県の山間にある客家の老街・北埔(ベイプー)。今もなお独自の文化を守りながら客家の人々が暮らしています。
人々がお参りをする「慈天宮」を中心に老街は広がり、門前に並ぶ客家食堂はレトロな雰囲気満点。
山間に暮らす客家人の食卓では、乾物や塩漬けなど保存の効く食材が使われることが多いです。日本のお漬物や醤油の味に似ている印象もあり、塩スープの麺も惣菜類もおいしかったです〜♡
北埔老街への最短アクセスは、台北駅から新幹線で新竹駅へ(約30分)、そこからタクシーで約30分。一日遠足くらいの気持ちで余裕を持って訪れるのがおすすめです。老街には「擂茶DIY」という看板を掲げたお店がちらほらありますので、ぜひ貴重な擂茶体験を楽しんでみてはいかがでしょうか。