シンチャオ! サイゴンノオトのわん吉です。
ラオスの古都ルアンパバーンに行ってきました。
ラオスというと思い出すのが、村上春樹さんの紀行文集「ラオスにいったい何があるというんですか?」。
実際、訪れたルアンパバーンにはビルもなく、旧市街にはスーパーすらありません。車も自転車に追い越されそうなほどのゆるゆる運転で、街の人たちが歩く速度もゆっくりのんびり。時間の進み方が10分の1になったかのような穏やかな空気が流れていました。
何にもないように見えるけれど、過ごすうちにどんどんその魅力にはまってしまう街でした。豊かな自然に囲まれたルアンパバーンには、伝統文化と厚い信仰があり、なによりおいしいものがたくさんありました。
ルアンパバーンの夕暮れどき、街の街灯が灯り始めます。旧市街に点在する仏教寺院のシルエットが美しくて。

僧侶たちの托鉢から始まる朝。街の人たちがひとつまみの餅米を喜捨します。

ラオスの古都ルアンパバーンとは
ラオスは東南アジアの中で唯一、海に面していない内陸国。日本の本州とほぼ同じ大きさです。
古都ルアンパバーンは北部ラオスのルアンパバーン県にあり、14世紀に始まったランサーン王国の都として栄えた街。
19~20世紀、フランス領インドシナに編入されると、フランスの影響を受け、フレンチコロニアルの建物が建てられるようになりました。

ラオスの伝統的な建築物とフランス統治時代の建物が調和したルアンパバーンの旧市街。その景観が美しく、保存の努力も認められて、1995年にはユネスコの世界遺産に登録されました。
北部ラオスの山の幸グルメに驚く
ラオス料理っていったいどんな感じ? タイとの国境も近いしタイ語も通じるというから、タイ料理に似ているのかなと思っていましたが、現地で食べてみると、ずいぶん印象が違いました。
一言で表すなら、山の幸が盛りだくさん。タケノコやキノコや山菜など、山の素材を使った郷土料理がめちゃくちゃおいしかったです。
例えば、レストランで最初に出されたお通しのピーナッツ。輪切りのレモングラスと塩をまぶしただけですが、レモングラスの爽やかさが効いていて、ワンランクアップのピーナッツになっていました。

こちらは干しタケノコのカリカリおつまみ。干しタケノコの旨みと甘み、それに乾燥したコブミカンの葉の爽やかさが合わさった、何ともおいしい一品でした。

野菜のスープ。葉っぱとディルが入った淡い味で、体に染み込むような感覚でした。

街で評判のラオス郷土料理レストラン「Tamarind(タマリンド)」で食べた、ラオス料理5種盛り合わせ。絶品でした。
右から、干した水牛肉、豚ソーセージ、ナッツとハーブと麺のレタス包み、葉野菜の辛み漬物、タケノコとバナナの花とナスと豚ひき肉の和え物。

ラオス料理の主食は餅米。指先で軽く固めたひと口サイズの餅米を、おかずと一緒に手で食べるのがラオス流です。
ラオスの餅米は日本の餅米よりも軽くてさらりとしているので食べやすく、自然と食が進んでしまいます。
(下の写真)中央が餅米、左下はラオス風キムチ、右下はタケノコと豚やハーブの和え物。こんなにシンプルなのに美味しすぎました。

ラオスで水牛のお肉を食べる
山間部のルアンパバーンでは水牛のお肉がよく出てきました。
特に、干した水牛のお肉(つまりビーフジャーキーならぬバッファロージャーキー)はどのレストランにもあり、街角でも普通に干されていました。

その水牛系おかずで、おいしさのあまり唸ってしまったのが、「Bamboo Tree Restaurant(バンブーツリー)」 のバッファローシチュー。

英語メニューには「シチュー」と書いてありましたが、おそらく「煮込んだ」という意味なのだと思います。
水牛スペアリブをコトコト煮込んだクリアスープで、意外にもさっぱり味。お肉はホロホロ、合わせたディルの香りがすばらしかったです。コクのある黒米の餅米にまさにぴったりの煮込みでした。

ディルを使う料理が多いのは、北部ベトナムも同じ。ラオスとベトナムもまたお隣さんなので、食文化にも似た部分があるのかな?と思いました。
何だか懐かしい、ラオスの仕込み風景
街を歩いていると、ラジオから流れるポップス音楽が辺りに響いていました。音源は食堂で、店員さんたちが野菜の皮をむいたり、刻んだりと仕込み中。

家の外のかまど。お鍋でコトコト煮込んでいました。

餅米を平たくして乾燥中(ビール瓶の底でつぶすのだとか)。これを油で揚げた「おこし」のようなものは、麺の付け合わせになるのだそう。

ルアンパバーンはメコン川沿いの街。川の流れはゆるく、小さな渡し船や漁船と、ちょっと大きめの観光船がゆっくり行き交っています。

そのメコン川の河岸には、あちこちに小さな野菜畑がありました。レタス、ディル、葉物など、郷土料理に使われる新鮮野菜が育っています。
自分たちで食べるものを自分たちで育てて収穫する。自然と共に暮らしている、そんな印象を受けました。

アジアで一番おいしいフレンチベーカリー
フランスの統治下にあったラオスには、フランス食文化の影響がしっかり刻まれています。
驚いたのは、ベーカリーの本物感。ルアンパバーンでも評判のベーカリー「Le Banneton Café & French Bakery」には、パリで食べるレベルのクロワッサンやエクレアやタルトがありました。

おいしくて、最後に駆け込みで買ったクロワッサンとパンオショコラ。飛行機で持ち帰り、一日経っても変わらぬおいしさ。まさにアジアNo.1と表彰したくなりました。

そして、本当は教えたくないけれど(笑)、教えます。ラオスのコーヒーも絶品です。香り豊かなコクのあるSaffron Coffeeのアラビカ豆。これまで飲んだコーヒーの中でもトップクラスでした。

ラオスの古都ルアンパバーンの郷土グルメ、いかがでしたか?
ルアンパバーンは空路ならハノイかバンコクからのアクセスが可能。知れば知るほどに惹かれてしまう素敵な街への旅、わん吉の旬の推しです。