ベトナム中部フエの山岳地域ア ルオイから北上してダクロン橋を渡り、沿岸地域のドンホイ(クアンチ省、旧クアンビン省)に到着しました。(VOL.234のつづきです)
チュオンソン山脈に沿うように森林に囲まれた道のりは長く感じました。山を下り、街に入り、広くゆるやかに流れるニャット レ川 (Sông Nhật lệ)に、ほっと一息つきました。女性がオールを漕ぐ石像があり、社会見学の学生や観光客が訪れていました。

ニャット レ川沿いの広場にある『Mẹ Suốt(マザー・スゥオット)像』2003年落成、彫刻家ファン・ディン・ティエン氏による作品です。
2025年の夏に、ベトナム戦争が終わって50年の小さな旅をして、はじめてドンホイに訪れました。ベトナム統一前は北ベトナムでした。
ベトナム戦争当時、スゥオット母さんは、舟をこいで、ニャット レ川の渡しをしました。軍事関連者の移動、負傷した兵士のため、武器を運ぶために波のうねりが強い日も爆弾と弾丸の降る日も舟をこぎました。
Mẹ Suốt(マザー・スゥオット)像は、ドンホイにおける抗米戦争の史跡となっています。民衆の彼女への敬愛の深い気持ちを表しています。
この記念像は、ドンホイ市場の近くにあります。

山岳民族であるVân Kiều(ヴァンキエウ)族の学生たちがバスに乗って来訪していました。

巻きスカートは、Vân Kiều(ヴァンキエウ)族の織り模様です。
この後、ベトナム戦争で米軍の爆撃により廃墟となったNhà thờ Tam Tòa(タムトア教会)と、1639年に建設された古代要塞Quảng Bình Quan(クアンビンゲート)にもいきました。
現在はクアンチ省になりましたが、旧クアンビン省ドンホイの訪問は、かつてベトナムが南北にわかれていたことや、ベトナム北部において最南端の地域であった歴史があり、遺産の保護・古代建築の復元をして現代に伝承するという取り組みに足をとめて考える機会となりました。
日が暮れて街の屋台やレストランがにぎわう時間になり、Mẹ Suốt像とドンホイ市場から近いストリートで、特産の揚げおこわをいただきました。

Xôi chiên trứng (ソイ・チン・チュン)ドンホイの卵入りの揚げおこわです。ここでしか味わえない一品です。炊いたおこわをフライパンにのせてプレスしながらこんがりと揚げます。溶き卵を広げて焼いて豚のでんぶをのせて、カリカリしたおこわチャーハンのできあがりです。もち米のもちもちした食感とカリッと香ばしい味。ベトナムの地方で出会うストリートフードは、気軽に楽しめておいしいです。

オーダーは、揚げおこわに骨付きの鶏もも肉やほぐした鶏肉とハーブ皿などを選ぶことができます。鶏もも肉にはレモンの葉の千切りがのっています。塩コショウに、ベトナムレモンをぎゅっとしぼって食べます。

ベトナムのおこわを炊いているところです。深鍋に水を沸かして専用のかごでもち米を蒸しています。

もち米を炊くかごは、口は広く下は細く狭まっています。隣の鍋には鶏肉たっぷりのスープです。

店の看板メニューによると、鶏のお粥・フォー・ビーフンや春雨の炒めもの・鶏のおこわ、そして、ĐẶC SẢN XÔI CHIÊN(ダック サン ソイ チン)特産のおこわチャーハン(揚げおこわ)と書いてあります。この店の通りは、揚げおこわ屋が建ち並んでにぎわっていて、夜遅くまで営業していました。
翌朝は、ドンホイ市場に行きました。
フエ特産でもあるBánh bột lọc(バイン ボッ ロ)エビや豚肉、緑豆あんを包んだタピオカのおやつを挟んだバインミー。友人の話によると、元々、旧クアンビン省はタピオカ芋(キャッサバ)の産地でBánh bột lọc入りのバインミーの発祥の地になるようです。香ばしいネギ油をまとったもちもちしたタピオカとエビの旨み、ベトナムハムや香味野菜のハーモニー。ボリューム感のあるフランスパンを頬張ります。

ドンホイのBánh mì bột lọc。フエにもあるバインミーだけれど迫力があります。

タピオカ芋の生地に包まれた小エビや皮なし緑豆あんのBánh bột lọc。タピオカの生地は、タピオカ芋をすりおろし水にさらした沈殿物をつかいます。茹でるとぷるんとしてもちもちした食べ応えがあります。このままヌックマムのたれにつけても美味しいのに、フランスパンに挟むというアイデア。ベトナムの食の豊かさを感じてわくわくしてきます。
そして、ドンホイを離れる前に立ち寄ったお弁当屋さんにて。

友人の勧めで、おもしろい煮込みがあると連れていってもらいました。ここもボリュームとサービスがすばらしかったです。

日本のおでんのようにもみえますが、あたたかい食べもので味が沁みて美味しそう。材料は骨付きの鶏肉・砂肝・さつまあげ・厚揚げ・ゆで卵にベトナムハムなど。ゆで卵はこんがりと焼いでから煮込んでいます。特製のたれも注いで、ご飯も別盛りにしてくれました。

この煮込みには、高菜の漬けものは欠かせないです。

ランチタイムにドンホイの街の一角でパラソル屋台で出店しています。
次の旅にむかう途中で、野原を眺めながら食べました。おふくろの味ように出汁がきいて、つゆだくで、高菜の漬けものの酸味とさくさくした歯応えにご飯がすすみました。
(参考)Mẹ Suốt
wiki:Mẹ Suốt
Vietnam airline:Tượng đài Mẹ Suốt: Biểu tượng bất khuất của Quảng Bình