チャム民族のお母さんの家の中庭に、早朝からさまざまな薬草が運ばれてきます。
庭の鶏の雛たちが集まってきて小さな虫を探して食べます。薬になる草や木は、自然豊かな森や川辺や畑で摘みとられてきたのがわかります。
これらの植物は人の手によって薬になりますが、それまでに、時間の許す限り、雛たちの営みと草や木を住処にしてる虫たちは、追いかけっこのようにつながりあっています。そして、人もつながりの輪の中で恩恵を受けていると思います。
庭のタマリンドの木の下に運ばれてきた薬草です。
束ねてある左側の薬草の名前は、
チャム名:Phun Muk
ベトナム名:Cây cỏ xước
膝や関節の痛みに良いそうです。
チャム名:hala mbao
ベトナム名:Cây chùm bao
心臓に良い。よく眠れるそうです。
この葉は、チャム民族の米粉スープ「aia bai tapung(ヤー・バイ・タプン)」にもつかわれていました。
Chùm baoの葉は、よく眠れるとオゥンお父さんも話していました。
この写真を、SNSにシェアしたときにホーチミンの友人もよく眠れると教えてくれました。
hala mbao / Cây chùm bao の枝(蔓性のような枝)をなたで細かく切っています。
*公開時にモリンガと書いていましたが、訂正いたします。
チャム名:不明
ベトナム名:Cây Chó Đẻ
肝臓、肺病に良いそうです。
日本では、コミカンソウになるそうです。「小蜜柑草」と書いて、小さな葉の下に連なるように、小さなミカンのような赤い実をたくさんつけます。
庭の大きなタマリンドの木の漏れ日の下で、人も犬も鶏も過ごしています。
雛たちは、Cây Chó ĐẻとCây cỏ xướcの茂みに小さな虫を見つけて食べています。
Cây cỏ xước とCây Chó Đẻ とCây chùm baoです。
観察していると、左側のCây cỏ xướcが、雛たちに人気があるようです。
チャム民族のお母さんは、伝統の薬をベトナム中部フエまで売りにきています。私との出会いもフエでした。チャンパ時代からの伝統医療は今も需要があります。フエに通い注文を受けて村にもどり薬をつくっています。
チャンパ王国は、ベトナム中部から南にかけて広い王国でした。古来からの伝統医療は今もベトナムに生きています。
撮影協力:Nyさん
フォトグラファー 青木由希子