早起きをしてChợ Ayun pa/アズンパ市場(中部高原、ザライ省)にいきました。古き歴史を感じさせる佇まいで、まだ街が暗いうちから明かりを灯して、落ち着いた静けさのなかアズンパ市場は活気に満ちていました。
朝5時30分くらいの市場周辺の様子です。市場の看板は見当たらなくて、ここかな?と思えた路地裏から市場に入りました。市場内は薄暗く生鮮食品店がひしめき合うように並んでいます。
豚肉を捌いていました。日本にいるとあまり気が付かないことですが、命をいただいていると実感します。弾力がありつややかで新鮮なにおいがします。
これは、ザライ省の隣りビンディン省のNem Chua(ネムチュア)だそうです。藁(わら)で包まれているのを初めて見ました。一般的にネムチュアは、生の豚肉をバナナなどの葉で包み発酵させますが、ビンディン省は、豚の耳や頭部を藁で包んでネムチュアにするようです。ネムは細長い、チュアは酸っぱいという意味で発酵食品のおつまみです。
一見するとChả cá(さつま揚げ)にみえますが、Bánh camという緑豆あんをもち米粉で包んで揚げた団子です。白胡麻がまぶしてあって、とても香ばしいかおりがします。見た目がオレンジに似ているためCam(オレンジ)と呼ばれています。一口サイズのドーナッツです。
たけのこを乾燥させたMăng Khoです。精進料理、汁麺やスープ、炒めものにつかいます。
小分けされた赤唐辛子粉・黒コショウ・ターメリック粉・濾過したクリーム色のターメリックスターチ(料理に使用しやすいでんぷん粉)・森のはちみつもありました。
ベトナムハムのチャールア(Chả lụa)をつくる型です。ハート型でした。脂肪分の多い豚肉をミンチしてクリーミーになるまで練って粒コショウなどを加えて型に流して蒸します。おつまみや蒸し春巻き、汁麺のトッピング、バインミーサンドイッチにはさみます。
バンカンというスープ麺につかうタピオカ麺です。ザライ省もキャッサバ(タピオカ芋)の産地です。アズンパ近郊にキャッサバ畑をみつけたときの話になりますが、少数民族のバナ族の親子がいました。お母さんが小さな子どもをおんぶしながら、タピオカ芋の皮をむいて働いていました。中部高原にみられる農の風景です。
市場を出たところにキャッサバ(タピオカ芋)の葉を大きな盆ざるに広げて、もみほぐしているお母さんがいました。
キャッサバの葉(Rau sắn/Lá mì)を竹の編目に何度もこすりつけています。おもしろい調理方法があると思いました。こすりつけて、もみほぐして繰り返すと葉の繊維が切れてくたくたになるようにして、フライパンでさっと炒めて川エビや様々な野菜とあえものにします。川エビの旨みがまんべんなくキャッサバの葉に沁みて、後を引く味です。中部高原地域の名物でソウルフードといえそうです。