ベトナムレストラン ピーフォートゥアティエン・フエ省山岳地域のA Lưới郡 (huyện A Lưới) とラオスとの国境近くの渓谷にA Biahの丘があります。ベトナム戦争時に激しい戦闘が起こり、アメリカでは、ハンバーガーヒルと呼ばれました。1969年5月のことでした。
ア ルオイの市場で、その丘までの道を訪ねたときĐồi Thịt Băm（ハンバーガーヒル）では通じなくて、元々、A Biah（ア ビア）という名前があることを知りました。A Biahの丘まで、どれくらいかかりますか？ときくと、人によって、まちまちで、あまり知られていないという印象を持ちました。
A Biahの丘に着くと、人気はなく誰もいない戦争の足跡を歩きました。太陽が眩しく熱く感じました。
戦争証跡展示館がありました。
ベトナム戦争 A Biahの丘の戦いを忘れないための展示館です。
看板に書いてある文字：
Nhà trưng bày Chứng tích Chiến tranh 戦争証跡展示館（せんそうしょうせき展示館）
Di tích lịch sử Đồi A Biah ア ビアの丘歴史遺産
House showcasing War remnants A Biah historical monuments
旧正月に訪問したためか閉館していました。事前予約が必要なのかもしれません。
A Biahの丘の戦い（ハンバーガーヒルの戦い）で、焼け野原となった丘は、55年が経ち、現在、アカシアの植林もみられますが、さまざまな植物をみることができました。
小川のせせらぎに気がついて耳を傾けてあたりを見渡すと低木の茂みに蝶が舞い降りてきました。
小さな白い花は、ベトナムフエ〜クアンナム省にかけてよくみかけます。
タチアワユキセンダングサだと思うのですが、アメリカ原産のものと思います。
ススキの穂のような植物は、A Biahの丘でよくみかけました。
豆科の植物でしょうか。黒い豆さやのようにみえました。
フエ沿岸の南シナ海につながるラグーン地域の生態系と異なり、はじめてみる植物が多かったです。ベトナムとラオス〜カンボジア国境沿いに南北につらなるチュオンソン山脈由来の自然の豊かさは、バラエティに富んでいると思います。前回、幻のユニコーンサオラの生息地であることをお伝えしましたが、希少な生きものの住みかとなっています。戦争や開発によって脅かされてはならないと思います。
さまざまな植物の葉や花が重なり合って丘に吹く風になびいています。
トンネルの案内が数箇所にありました。
案内には、ĐỊA ĐẠO NAM SƠN & BẾP HOÀNG CẦM（ナムソントンネル & ホアンカムキッチン）と書いてありました。クチトンネル（ホーチミン市）やヴィンモック地下トンネル（クアンチ省）
事前に展示館等で情報を得られれば良かったのですが、戦後、現在の安全性を確認できなかったため、今回はA Biahの丘を途中で下りることにしました。
トンネルの向かいの傾斜には、アカシアの植林が広がっています。地元のフエナンバーのバイクが１台停まっていました。
A Biahの丘から眺める渓谷。この丘のピークは、937高地なので見晴らしがいいです。
坂を下り、丘のふもとに向かいます。
A Biahの丘のふもとは、ゆるやかな棚田が広がっていました。少数民族の集落が点在していて、稲作やバナナやレモングラスなどの畑仕事、牛・やぎを育てていました。
公道から、風の通り道を感じさせる小道がありました。村の人から旧正月おめでとうと声をかけていただきました。
やぎの親子。生まれたばかりの子やぎは、まだ立てなくて、足がおぼつかなかったです。
牛の親子と屋根付きの小屋。
美しい竹の囲いがありました。
野花の咲くバナナ畑から眺める深い渓谷。A Biahの丘から下りて、村の暮らしに触れると少しずつ緊張がほぐれてきました。
落葉樹を見上げると若草色の芽吹き。薄雲に青い空が広がっていました。
Đồi A Biah (Huế) ア ビアの丘 （ベトナム語の記事）
