秋に収穫したさつまいもが甘みを増してくる頃に、思い立ってつくりたくなる「さつまいも団子のチェー」があります。
きっかけは、埼玉県本庄市にあるベトナム寺院・大恩寺の収穫祭(2021年 晩秋)に伺ったときでした。ご住職は尼僧のティック・タム・チーさんです。コロナ禍より暮らしに困窮する実習生・留学生の心の拠り所となっています。
ティック・タム・チーさんと支援者さんと地域の協働により、お寺で自給自足の畑をするようになってから、初めての収穫祭で日越のさつまいも料理が振る舞われ、さつまいも団子のチェーをいただきました。それ以来、冬が近づいてくると思い出してつくるようになりました。
写真:埼玉大恩寺にて
左上から、ティック・タム・チーさんと子どもたちのさつまいも掘り / 子どもたちが掘ったさつまいも / 里山にある大恩寺の畑(浄農園)/ 収穫祭でベトナムの精進料理の紹介 / さつまいも団子のチェー / 畑を始められた頃のティック・タム・チーさん。
お寺の畑の広場に、子どもも大人もベトナム人も日本人も入り混じって、穏やかな空気が流れるなか収穫祭をお祝いしました。
さつまいも団子のチェーは、
蒸したさつまいもとタピオカ粉をこねてつくります。団子状にして茹であげて、温かいココナッツミルクといただくとお汁粉のような、ほっとする味です。お団子はふんわりもちもちしています。
調べると、いろんなレシピがあるようです。さつまいもは、白・黄・橙・紫などの色があるので、カラフルなチェーを試作しました。
「さつまいも団子のココナッツミルクのチェー」 Chè khoai lang dẻo nước cốt dừa
材料:6人分
さつまいも3種(白色・黄色・紫色など) 各180g
タピオカ粉 さつまいも180gに対して大さじ2ほど
ココナッツミルク缶 1カップ
水 1カップ
砂糖 適量
ココナッツミルクにとろみをつけるために
水で溶いたタピオカ粉 1/2カップの水に大さじ2ほど
仕上げの炒り白ごま 少々
レシピ:
① さつまいもは、昔ながらのさつまいも・安納芋・紫さつまいもを使いました。
皮をむいて、すぐに塩水(分量外)に浸します。甘みが増すのだそうです。塩水につけると変色も抑えられると思います。
*紫さつまいもは加熱すると鮮やかな紫色になりました。
② さつまいもを大まかに切って蒸します。それぞれにボウルに移して、熱いうちにタピオカ粉を加えてよくこねます。
*タピオカ粉は、キャッサバ芋からできています。ベトナム料理に欠かせない米麺やライスペーパー、ケーキなどのおやつにも幅広く使われています。
*蒸したさつまいもが筋っぽかったり、繊維が気になる場合には裏漉しすると滑らかになります。
③ ②を板の上で転がすようにスティック状に整えてラップを巻いて、生地が落ち着いてきたら、一口大に切り分けます。
④ 鍋にたっぷりの湯を沸かして茹でます。浮いてきたらすぐに冷水を張ったボウルにさらし、ザルにあけます。
⑤ 鍋にココナッツミルクと水を入れ、ひと煮立ちしたら砂糖を加えます。水溶きタピオカ粉を入れてとろみをつけます。
*ココナッツミルクと水の割合や水溶きタピオカ粉の分量は、お好みで変えてみてください。
⑥ お茶碗など器に盛りつけます。
さつまいも団子をココナッツミルクで軽く煮て、お茶碗によそい白ごまをふります。
立冬を迎え、身体の芯から温まりました。