前回、戦争証跡博物館で常設されている石川文洋さんの写真展について書きました。ベトナムの博物館や美術館で歴史や文化を学び、先人の方々の想いに触れながら、旅する気持ちはふくらんでいきます。
昨年の話になりますが、久しぶりのホーチミンでの滞在に大通りと小道を気の向くままに歩きました。ホーチミンQuận 3(3区)の街歩きです。

今どき、めずらしいかもしれませんが、昔ながらの地図を購入して歩きます。行政の改編がおこなわれた直後だったので、以前のQuận 3と印刷されています。地図の真ん中のBảo tàng Chứng tích Chiến tranh / 戦争証跡博物館を目指します。統一会堂(Hội trường Thống Nhất)とタオダン公園(Công viên Tao Đàn)のある緑の向かいのあたりです。
*Quận 3という呼び名は、2025年に廃止されて、Phường Bàn Cờ(バンコー坊), Xuân Hòa(スアンホア坊), Nhiêu Lộc(ニエウロック坊)に改編されています。

ホーチミンの小径を歩くといつも時を経て古びたものに惹かれます。

信号待ちにて。年代もののアパートメントをみあげて、窓のかたちをみたり、白壁に植物の緑がきれいだなあと思ったりします。

ベトナム戦争が終わって50年のポスター(2025年)
Bắc – Nam Sum họp
Xuân nào vui hơn
〜北と南の再会
これほど嬉しい春があるでしょうか〜
終戦50年のポスターはベトナムの至るところにかかげてありました。私にもしみじみと感じるものがありました。
初めてホーチミンに来た日は、裸足の子どもをみかけたりフレンチコロニアル調の建物の外で眠る人がいて、足が不自由な女の子は、車輪のついた板に乗って大通りを渡っていました。観光客に靴磨きの仕事をする子ども、アメリカのガムやビスケットを売る子ども、物乞いをする母子の姿を思い出します。30年くらい前の話です。次第にベトナム雑貨店やベトナム料理レストラン情報を載せた日本人向けの旅の本やファッション誌なども増えていきました。

ハイランドコーヒーが緑の森に包まれていました。ホーチミンは樹齢の長い高い木が多いです。この木は、Cây dầu(フタバガキ)というそうです。花が咲いて結実すると羽のついた種が舞い降りてきます。

ホーチミン市ベトナム女性連合の前を通りました。女性の権利やジェンダー、社会福祉の向上などに取り組む政治、社会組織で地域社会への貢献を根ざしています。

ベトナムの歴史に名前を刻む女性たちの展覧がしてありました。
ベトナムの通りの名前にもなっている著名な人もいて、私が街歩きに購入した折りたたみの地図にも載っています。
Võ Thị Sáu(ヴォー・ティ・サウ)1933年生まれ、1952年1月23日没。コンダオ島に眠る。
Nguyễn Thị Minh Khai(グエン・ティ・ミンカイ)1910年生まれ、1941年没。ベトナムの通りの名前や学校の名前にもなるほどの功績を残し亡くなっています。
Nụ cười chiến thắng / 戦勝の微笑みの写真で知られる Võ Thị Thắng(ヴォー・ティ・タン)享年69歳などです。
©yukiko aoki
南北の再会のシーン。
とあるギャラリーからの眺め。ベトナム国旗と鎌と槌(かまとつち)の旗。

戦争証跡博物館のすぐ近くに素敵なレストランをみつけました。テイクアウト用の小窓があり、バインミーを注文できるようになっています。

呼び鈴とベトナムの包み紙を思わせる壁紙の花模様。
レストランの窓からも美しい緑の空間がひろがっていました。

戦争証跡博物館に着きました。

エントランスの企画展では、南北の統一の喜びの日をテーマにした写真展が心に響きました。
協力:オアンさん