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VOL.118 旧暦お正月の粽(ちまき)づくり…1

release : category : ベトナム〜おいしい散歩〜

Chúc mừng năm mới (チュック・ムン・ナム・モイ)
新年、明けましておめでとうございます。
遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。

旧暦の年の瀬にフエのおじいさんとおばあさんの家に集まって、お正月の粽(ちまき)Bánh chưng(バイン・チュン)とBánh tét(バイン・テット)をつくりました。

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ベトナム北部は四角いバイン・チュン、南部は円筒のバイン・テットが定番ですが、フエでは両方つくって祭壇にお供えする習慣があります。一説によるとチャンパ王国時代(2世紀〜19世紀まで続いたチャム族の国)からの由来で、ヨニ(女性)とリンガ(男性)を表しているとチャム族のお母さんから聞いていたので、お正月の粽(ちまき)がいつからつくられていて、どのように広まったのか、思いを馳せながら参加しました。

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お正月の粽(ちまき)バイン・チュンとバイン・テットの具材は同じで、写真の右側から、もち米・皮なしの緑豆・豚肉の脂身・赤にんにく・コショウ・塩・味の素を使い、バナナの葉で包んで竹紐で結わえて一晩ゆでます。ゆで上がったら切り分けて、フエ名産のらっきょうの漬物や、ヌックマムのたれ、砂糖をかけて食べます。

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洗ったもち米をざるにあけて、触らないで!と箸とバナナの葉を交差させて伝えています。バナナの葉で包む直前にもち米に塩をふります。

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もみ殼で火を起こし薪をくべて、鍋いっぱいの皮なしの緑豆をゆではじめました。

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豚の脂身と赤身を分けています。細長い脂身は円筒のバイン・テットに使います。細切れのものは四角いバイン・チュンに使います。

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赤にんにくのスライスにたっぷりのコショウと塩、少量の味の素を加えます。スパイシーな味付けがフエ式なのかもしれません。

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鍋いっぱいの緑豆が吹きこぼれそうで心配していたのですが、おじいさんとおばあさんの阿吽(あうん)の呼吸で、他の家仕事をしながら、台所に来ては薪をずらしたり回転させたりして火力を調節していたので、一度も吹きこぼれることはありませんでした。

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Dương Thiểm ドゥン・ヒェンおじいちゃん(76歳)は牛の世話をしています。おじいちゃんといるといつも楽しくて、フォトエッセイでは久しぶりの登場です。

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Nguyễn Hiền グエン・ヒンおばあちゃん(73歳)はお昼の支度をしています。おばあちゃんは巻きタバコをくわえて、子猫がお魚食べたいなあ〜とタライのまわりをぐるぐると歩いています。

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台所で見かけたラーメン。野菜スープをつくります。ラベルがかわいい。

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お昼ごはんは、川魚の煮付け、春菊とわけぎのラーメン入りスープです。白いごはんといただきました。あっさりした味でおいしかったです。

 

フォトグラファー 青木由希子