ベトナム中南部沿岸地方にあるニントゥアン省は、手つかずの自然が残されています。南シナ海には美しいサンゴ礁が広がり、海の幸に恵まれて塩田も有名です。乾燥地帯のためサボテンや岩や砂地が多く、米や野菜が育ちにくいところですが、ぶどう・ニンニク・赤わけぎの産地で、羊や山羊を育てながら村の人たちは慎ましく暮らしています。
チャムの村で羊と遭遇。道端の草を食みながら村の中を歩いています。
羊たちは、収穫後の赤わけぎの葉がらも食べていました。痩せた土地のために食べるものがなくて、いつもお腹を空かせているのではと心配になりました。
先祖代々、漢方医をしているお母さんから「このサボテンの赤い実は心臓病に効くのよ」と教わりました。この村では昔から長女が家業を継ぐことになっていて、薬草のある場所や採取する時期、漢方のつくり方を長女だけに伝授し秘密を守っているそうです。
村の電柱から電線を引いてきて、木に巻きつけただけの柱をよく見かけました。実はこの村から数十キロの場所に、日本とロシアがベトナム初の原子力発電所をつくることが決まっています。チャムの村の人たちは、日本の事故のことを思うと胸が痛みます。原発はいらない。と言っていました。
写真の左はキャッサバ芋の畑。右は日本の援助でアスパラガスが育てられています。スプリングクーラーは地元の行政からの援助だそうです。
サボテンや岩を開墾し、農業をはじめて1年目のNAO VAN XAY(ナオ・ヴァン・サイ)さん。
ピーナッツ・赤わけぎ・とうがらし・玉ねぎ・すいか・キャッサバ芋・アスパラガスを育てています。かごの中のアスパラガスの根元は、捨てずに煮出してお茶にするそうです。