シンチャオ! サイゴンノオトのわん吉です。
夏休みも真っ盛りの今、皆さんはどこかへお出かけされましたか?
わん吉は日本に住んでいた頃、夏休みとなるとローカル線に乗って旅をするのが好きでした。
千葉のいすみ鉄道に乗りに行ったり、会津のローカル線に乗ったり、名古屋へ行くのに新幹線ではなく中央線の各駅停車を使ったり。
小さな時刻表を読み込んで、在来線同士の良い乗り換えを見つけては旅のプランを練ったものです。
鉄道の旅はのんびりの旅。
カタンコトンという音を聞きながら車窓の景色を眺めていると、焦りや忙しい気持ちが和らいで、「まっ、いいっか」といった気分になってくるものです。
あぁ、時間に追われることもないよなぁ、周りを見て焦ることもないよなぁ、なんて。
わん吉、鉄子ではありませんが、そんなわけで鉄道には心が動きます。
バンコクの玄関口、フアラムポーン駅。
今年100年目を迎えたタイ鉄道の始発駅は、ノスタルジー感がいっぱいです。
駅は大きなかまぼこ型。
中に入ると広〜い待合スペースになっていて、左右にあるベンチにはこれから田舎に帰るタイの人たちや、バックパックを背負った西洋人の若者たちがあふれています。
旅の始まり感たっぷり。
待合スペース正面にチケットカウンター、そして中央にはタイの王妃様の肖像画。
王室が心から敬われているタイでは、王様や王妃様、王族の方々の肖像画が街や建物のあちこちに飾られています。
そして僧侶のための専用待合スペースが設けられているのも、仏教国タイならではの風物詩。
チケットカウンターの向こう側にホームがあります。
巨大なかまぼこ屋根に、いつの時代ぞやと思うような旧式電車が元気に往来中。
電車がホームに滑り込んできて、止まったと瞬間に乗客がゾロゾロと降りてきます。
バンコクへ上京してきた人かな? バンコクに戻ってきた人かな?
それぞれに荷物のつまったバッグとお土産を抱えています。
横のホームにはお坊さんがいました。
ホームの一角ではおじいちゃんとお孫さんがおしゃべり中。
バンコクの中心部は高級ホテルや高級ショッピングモールがどんどん建ち並び、どんどん生活が便利になり、国際都市化しています。その一方で、バンコクの昔からの街並みが消えつつあります。
便利なのは良いことだ、発展は良いことだ、でもなんだか寂しいな・・・と感じつつあったときに、足を踏み入れた100歳の鉄道駅。
のんびりの旅が始まるというこの場所は、外の近代化とは一線を画して時の流れもゆっくりしていて、あぁ、なんだかいいなぁ、急ぐこともないよなぁ、と思うわん吉なのでした。