シンチャオ! サイゴンノオトのわん吉@台北です。
夏休みももうすぐ終わり。いつも思いますが、あっという間に時間は流れ、季節が移り変わっていきますね。今回はこの夏と春、台湾で出会った心惹かれる花と木のことをちょっとご紹介したいと思います。
夏の夜の花火「サガリバナ」
朝、台北市内の花博公園を散歩していたら、濃厚な花の香りが漂ってきました。甘いフローラルの香り、アジアンリゾートに漂うあの南国の花の匂いです。
見回しましたがそれらしき花はなくて、もしかすると近くで体操をしていたおばちゃんたちのボディーソープの香りだったのかなぁ…と思いながら角を曲がると、地面に繊細なお菓子のようなピンクのお花がたくさん落ちていました。
「あっ、きっとこれだ!」
ピンク色の中心部からは糸のようなものがたくさん出ていて、よく見ると先端には花粉が。糸のようなものはおしべでしょうか。
思わず写真を撮っていると、上からポタリ、またひとつポタリ。木の枝から垂れ下がった花の束から、ハラリ、ハラリとピンクの花が落ちてくるのでした。
この花の名前は「サガリバナ」というそうです。一夜だけ咲いて朝には落ちてしまうという南国の花なのだとか。 なんだかおとぎ話のようなお花ですね。
花言葉は「幸福が訪れる」。一晩だけ咲く花を見ることができるのは滅多にないこと。だからもし見れたならラッキーという意味なのでしょう。
台湾では「夏の夜の花火」と呼ばれることも。花火のような華やかさとはかなさを合わせもった花。水際にいたトカゲもサガリバナにじわじわと近づいていました。甘い匂いに魅了されたのかな。
春の日の鮮やかな花「キワタの花」
もうひとつ台湾の花を。こちらは春の公園で出会いました。
地面に落ちた鮮やかなオレンジ色の花。バトミントンのシャトルのような大きさでした。
この花は「木綿花」。でも「モメン」ではなくて「キワタの花」と読むそうです。迫力ある大輪は熱帯アジア原産の木に咲く花なのでした。
木綿と書くだけあって、この花が咲くとタンポポのワタのような白いふわふわした種も現れて、春の空に舞います。そのふわふわはある日突然舞う日があって、今年も去年も遭遇しましたが幻想的で素敵な時間でした。
台湾では台南に木綿花の樹が並ぶ「木綿花道」と呼ばれる名所がいくつかあり、開花時期にはたくさんの人が訪れます。台北でも羅斯福路(Roosevelt Road)沿いに木綿花の木が並んでいます。
木の幹になるブドウ風「木ブドウ」
せっかくなので、台湾中部の南投県で出会った珍しい木をもうひとつご紹介しましょう。どんな木かおわかりでしょうか?
ギョギョッ!よく見ると、木の幹に黒い粒々がついています。うわぁ〜という感じですね。
台湾では「樹葡萄」、日本では「木ブドウ」と呼ばれるそうです。
熱帯の木で、ブドウ科ではないのですが、その実はまさにブドウ。食べてみるとそこそこ甘くて、ちょっと土の香りのするブドウでした。
台湾はほぼ中央を北回帰線が横切り、その上は亜熱帯、その下は熱帯という気候で、日本ではなかなかお目にかからない南国の植物もいろいろあります。
熱帯特有の生命感あふれる植物にはときどきびっくりさせられますが、その魅力ある色や形や香りとの出会いをいつも楽しみにしています♡