明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
新年を迎えて清々しい写真を選んでみました。
ここは、ベトナム中部高原ザライ省のAyun pa(アズンパ)というところです。ベトナム国内を移動しながら、足を止めずにはいられない美しい風景がありました。空が高くて清らかな気持ちになります。
中部高原のなだらかな大地に隆起した丘のような地形が現れています。ずーっと、田んぼが広がっていて、曲がりくねった畦は造形的で、なぜかほっとする景色です。
薄曇りの光のなか、田んぼを渡るゆるやかな風は淡い緑のさざなみを立てています。
自然のなかに人の手が入って、つくりだしていく農の風景。小川のせせらぎが気持ちよさそうでした。
Uの字の溝は、伝統的な稲作の種蒔きの跡。籾種を蒔くときに溝を掘っておくと、余分な水を引きこむので、種子が溺れないで済むのだそうです。
田んぼの中に燕の巣の建物をみつけました。ザライ省アズンパも燕の巣の産地になるそうです。きれいな空気と自然にかこまれて、ツバメは虫を好んで食べるそうですが、調べてみたところ、稲作の有害な虫を食べてくれるのだそうです。それで、田んぼの真ん中に燕の巣のビルがあるのかも知れません。ツバメは、空を飛ぶ姿が美しい鳥ですが、飛びながら虫を捕まえることができるそうです。
燕の巣(Yến sào)は、高級食材で美容と健康(美肌・免疫など)にもいいそうです。病気の人を見舞うときに燕の巣やドリンク(Nước yến)を差し入れに持っていったり、疲れたときにいただいて飲むことがあります。砂糖の甘みがついていて、とろみのある飲みものです。冷たくするとおいしいです。
ミレーの落穂拾いのような写真が撮れました。これは、とうもろこしの種を蒔いているところです。畑に棒を持って歩いている人が、先に畑に穴をあけています。その跡に、種を蒔いていきます。
丘の麓まで、とうもろこしやお米を育てています。ベトナムの小農業の風景に見慣れているので、ここに来ると壮大で不思議な気持ちになります。ベトナム国土は、龍が天にのぼる姿を表したようなS字型で、南北に長いため、さまざまな気候や風土が保たれているようです。ベトナムの旅の魅力の源になっているのではと思います。
人が小さく見えるほどの広い畑です。アズンバのとうもろこしは、名産のタバコとの輪作です。以前、この村に訪れたときは、タバコ畑が広がっていました。
赤レンガの建物は、タバコの葉を乾燥させる工場です。地元のお米の籾殻を集めて火を炊きます。
とうもろこしの花畑を通りました。太陽に照らされて美しかったです。とうもろこしが実り収穫ができたら、次は、タバコの葉を育てますが、ここでみたタバコの花はピンク色でした。それは、花束にしたいほどにかわいらしい色でした。
地図:Ayun pa アズンパ、ザライ省
撮影:6月/2023年