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VOL.216 A Lưới Chợ Bốt Đỏ ア ルオイの朝市

release : category : ベトナム〜おいしい散歩〜

フエの中心地から70kmほどのラオスとの国境付近にA Lưới郡 (huyện A Lưới) があります。チュオンソン山脈がそびえ、深い渓谷と清流の美しいところとききます。

今まで、フエ沿岸のラグーン地域にいて、タムジャンラグーンに注がれるボー川(Sông Bồ)やフォン川(Sông Hương)をさかのぼり、山岳のA Lướiに興味を持つようになりました。幻のユニコーン「サオラ」の生息地であり、少数民族も多く暮らしています。

A Lướiは、ラオスとベトナムを流れる5つの川の上流地域になるそうです。ラオスはA Sáp川とA Lin川です。ベトナムはĐakrông川、Bồ川とTả Trạch川(フォン川の支流)です。(wikiより)

 

©yukiko aoki

国道49号線を走りA Lướiに近づくにつれて、山岳地帯の急勾配とカーブがつづきました。車を停めるタイミングはなく写真を撮るのに苦労しましたが、A Lướiの入り口には、ウェルカム・モニュメントがありました。

チュオンソン山脈を背景に、希少種 サオラ wwf/vietjoと民族楽器です。

ベトナム戦争時、フエも激戦地でした。タムジャンラグーンや水田に残されているLô cốt(ローコッ)という見張り台や、フエ王宮のレンガには弾痕が生々しく物語っています。チュオンソン山脈に沿って、ホーチミンルート(Ho Chi Minh Trail)は、ラオス・カンボジア領土を通りながら開拓され、兵力や武器・食糧を輸送しました。さまざまに思いを馳せて、初めてA Lướiの旅をしました。

 

©yukiko aoki

Chợ Bốt Đỏ/レッドブーツマーケットの前で、朝市が開かれていました。このとき、旧正月を迎えていたので、標高の高いA Lướiの朝は冷え込みました。空気が澄んでいてきれいでした。

レッドブーツマーケットの名前の由来については、戦場の凄まじさを伝えるものなのかもしれません。

 

©yukiko aoki

A Lướiの野菜は、どれも香り豊かで美味しそうです。

 

©yukiko aoki

レッドアマランサスの葉。

 

©yukiko aoki

これは、赤紫のずいきの漬もの。里芋の茎とらっきょうを塩で漬けています。

 

©yukiko aoki

からし菜・コリアンダー・春菊・レタス・バナナのつぼみスライス…。野菜を売りにきていた女性は、目元の涙袋に藍色がさしてありました。刺青の一種になるかと思いますが、神秘的で美しいと思いました。殻を赤く染めた旧正月のお茶請けひまわりの種をぽりぽり食べていました。

 

©yukiko aoki

葉っぱに包まれた野菜の苗。かぼちゃかな…。

 

©yukiko aoki

青バナナとウコン。生命感にあふれるA Lướiの森の豊かさ。

 

©yukiko aoki

かごいっぱいに摘みとられた清流で育ったクレッソン。

 

©yukiko aoki

レモングラスとさつまいもの葉。

 

©yukiko aoki

春菊です。ベトナムの春菊もやわらかくて美味しいです。

 

©yukiko aoki

旧正月の最も寒い時期に、さまざまな野菜が運ばれています。気候は昼と夜の寒暖差があり、フエ沿岸地域とは違いがありました。

 

©yukiko aoki

コリアンダーやわけぎネギ。右側のNémという香味野菜は葉と球根も食べます。スパイシーで甘い香りがしました。

 

©yukiko aoki

Pa Kô族(Pa Cô族)の背負かごです。細やかな網目でしっかりしています。

 

©yukiko aoki

背負かごに青菜をたくさん摘んで売りにきていました。お母さんは、あまりお金を数えたことがないから、お釣りを間違えないようにしなくちゃと、私の友人に話していたそうです。

A Lướiの自然の豊かさに生きるPa Kô族の暮らしを垣間みる心地がしました。ピュアな気持ちが伝わってきました。

 

©yukiko aoki

Chợ Bốt Đỏ / レッドブーツマーケット。市場は、ほとんどの店のシャッターが閉まっていました。旧正月休みだからでしょうか。屋根のてっぺんに先の尖った民族的なシンボルが付いています。

 
取材協力:Hoaさん

 
 
フォトグラファー 青木由希子