友だちのおばさんが、五つのざるを抱えてきて、お米の選別がはじまりました。日本で梅の土用干しで使う大きなざるに似ています。おばさんのざるは、編み目がそれぞれ違います。はじめに、目の粗いざるに米を乗せて勢いよくゆすると、混ざっていた軽い籾殻が、ざるの外へ弾き飛ばされます。ざるを斜めに持って、ざざっざざっとリズムカルに。順々に編み目の細かいざるに使い分けて、ふっくらとした優良米、割れた米、未熟米、籾殻やごみに分けてゆきます。惚れ惚れするほどに熟練の技なのです。
ざるの縁で米を返すようにして、上下を入れ換える ぐるぐると米を回すようにして、チェックする
ひと粒ひと粒、選りすぐる 優良なきれいな米、割れたくず米、未熟米に分けられました
形のきれいなお米はもちろんおいしいけれど、割れたくず米は、鶏のお粥を炊いたり、ライスペーパーの材料に使ったりするよ。特に cơm tấm(コム タム)はめっちゃおいしい!ごはんの上に好きなおかずをのせて、お米が割れているから味がよくからみあうんだ。と、笑顔にっこりマークで教えてくれました。
サイゴンのcơm tấm(コム タム)レストランで。好きな具を選びながら、わくわくしてきます
コショウの効いたサラミ、豚肉のスペアリブを甘辛く焼いたものなどをのせて食べます。私は精進の豚肉もどきを選んでみました。ほんとうにお肉の味がします。ごはんに高菜漬けがのっていて、日本人好みの味。プチ目玉焼きのトッピングもありましたよ。ヌックマムの甘酸っぱいタレをかけて、いただきまーす!