シンチャオ! 「サイゴンノオト」のぴょんこです。
今年の中秋節は、明日9月19日ですね。日本ではススキを飾ったり、お月見団子をいただいたりしながら、月を愛でる風流な行事ですが、ここベトナムでは、少し趣が異なります。
ベトナムの中秋節は、子どものためのお祭りで、獅子舞が家々をまわったり、子どもがおもちゃを買ってもらったりする一日なのです。
また、中国由来の、お世話になった方々や親しい人に月餅を贈るというお中元のような風習があり、毎年 中秋節が近づくと、街のあちこちに「月餅屋さん」が出現します。
大きな交差点には、たいていこんな風に、派手な黄色と赤の看板の売店が。その前を、バイクがびゅんびゅん!
三大お菓子メーカー「NHU LAN」、「KINH DO」、「DONG KHANH」の複合店。
「MUA 1 TANG 2」って、「ひとつお買い上げにつき、ふたつ差し上げます」ってこと?ええっ?
ファッションビルの入口には、こんなオシャレ系月餅屋さんも登場。
カメラを向けたら、ステキな店員さんがポーズしてくれました。
中秋節は、一年の中で、テト(旧正月)の次ににぎやかなイベントといってもよいでしょう。でも、ベトナムに暮らす日本人にとっては、あまり歓迎されていないかもしれません…。
というのも…、仕事でおつきあいのある方などからいただく、食べきれないほどの月餅。しかも日本の月餅とは随分と趣が異なるんです。
布張りのすてきな箱に入った、かたちも美しいBANH TRUNG THU(月餅・MOON CAKE)。
写真の白いBANH DEOは、袋に「ティラミス」と書かれていました。ひと口いただいて見ると、むむむ?ラムネ味のお餅に、コーヒーの香りのチョコ餡?家族の感想は「ガリガリ君アイスの味!」!! 何とも不思議な、食感&香り&味のミックス感でした。
塩漬け卵入りの黄身餡月餅は、定番中の定番。何といっても「月餅」ですから、月を孕んでいるのです。
日本の、木の実やドライフルーツがぎっしり入った黒ごま餡を期待していると、びっくりです。
「THAP CAM」というミックス味になると、卵や豚肉やフカヒレ、ベーコン…。甘い餡との組み合わせは大胆ですが、ベトナムの人々にはこのミックス味が人気とか…。
ベトナム料理大好き!なぴょんこや家人も、「月餅のおいしさはまだわからない。いつかわかる時がくるのだろうか」という思いが正直なところです。
と、そんなところへ、近所の友人からこんな「RAU CAU TRUNG THU」(寒天ゼリー月餅)の、おすそわけが届きました!
友人が大家さんから貰われたそうですが、何と「ドリアン餡」入り!!
甘~いコーヒーの香りとドリアンの香りの効いた、固めのパンナコッタという風情でした。
ドリアン大丈夫な我が家では、おいしくいただきましたよ! こんな月餅もあるのですね!
炎天下での販売にも耐え、一ヶ月以上も日持ちさせるために、どれほどの保存料をいれているのかな?という点も、食指が動かない理由のひとつでしたが、ここ数年は、シンプルな餡で、日持ちもあまりしない、大きさも程よい感じの月餅が、ホテルのペストリーショップなどで販売されるようになりました。
それを歓迎したい一方で、ベトナム月餅にはB級グルメ的な面白さを持ち続けてほしい…とも思う、勝手なぴょんこです。