シンチャオ!「サイゴンノオト」ののぴょんこです。
ベトナムには、12世紀頃から村落を中心に演じられてきた「水上人形劇」という人形芝居があります。
特にベトナム北部では今も盛んで、いくつもの水上人形劇一座が活動しているようです。
こちらは、ホイアンのとある商店の奥にあった、ミニミニ水上人形劇場。
池の端に、赤い屋根の社殿があり、緞帳の下から人形を繰り出すのです。
こちらはホーチミンの水上人形劇シアター。ちょっと変わった劇場ですね。
濁った水の池が舞台、それを音曲方が挟み、それを見下ろすように観客席が並びます。
素朴な木製の人形が踊ったり、泳いだり、田植えをしたり。ユニークな動きが魅力なんです。
煙草を吸ったり、火花や水を吹きだしたり、びっくりするような趣向もありますよ。
黒いすだれの向こうで、人形繰り氏たちが半身を水に浸し、水中に隠されている竹竿や縄を操作して、
人形の駒を動かしているのです。
「仙女の舞」
仙女たちがパタパタと両手を上げたり下げたりするだけですが、軽快な音楽と動きの一体感が面白い演目です。
「レロイ王、ホアンキエム湖の伝説」
ハノイに実際にある湖に伝わる、大きな亀の伝説も人形劇で演じられます。
アジアには、それぞれの地域に伝わるたくさんの人形劇がありますが、水中で繰る「水上人形劇」はほかに類を見ないのだとか。
にぎやかな、祝祭を思わせるような音楽や囃子言葉、ベトナムの農民の暮らしを生き生きと表現する人形の平易な美しさ、
あっけらかんとおおどかな明るさ、水の国ベトナムならではの水の舞台。
ベトナムらしさがいっぱいつまった水上人形劇、これからも受け継がれていってほしいです。