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シーカー・アジア財団の「クロントイ・スラムを歩こう」

release : category : サイゴンノオト

シンチャオ! サイゴンノオトのわん吉@バンコクです。

バンコクの中心部に、63万㎡のタイ最大といわれるスラムがあります。
港湾地区に沿って広がる「クロントイ」というその地区には、ひしめき合う屋根の下に10万人が暮らしています。
タイの地方から出稼ぎにやってきた人に加え、最近は隣国カンボジアやミャンマーからの出稼ぎの人たちも増えているそうです。

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高級ショッピングモールが建ち並ぶスクンビット地区から、ほんの1〜2㎞の場所にあるクロントイ。
以前からその場所があることを知っていたものの、「危ない場所だから」「タクシーの運転手も行きたがらないよ」という声を聞いて、なかなか気持ちは遠のいてしまっていました。

ひょんなことから先日、現地で支援活動をするシーカー・アジア財団が「クロントイ・スラムを歩こう」を企画したことを知り、さっそく参加させてもらいました。

スタートはクロントイ地区にあるシーカー・アジアのオフィスから、案内は日本人職員の吉田さんです。ボランティアの方やオフィスのタイ人スタッフに囲まれて、参加者6人がそろそろと歩き出しました。

最初に出会ったのはちびっこたちのビッグスマイル。この幼稚園には地区の子どもたちが通っているそうです。

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軒下の合間のバイクも行き交う細い路地を進んでいきます。わんこもウロウロ。

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路地脇の家々をちらちらと覗かせてもらえば、奥行きの深いテレビ完備の家もあれば、トタンをつぎはぎしただけの一間の家もあり。

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突然現れた空き地はゴミの山。

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見ないことにしようかと思ったけれど、ゴミの現実。湿地の上にバラックを建て住んでいるという現実。

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でもトタンの合間に見えるのはいつものバンコクの空。

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普通の路地裏暮らしの光景。コインランドリーもありました。

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お天気が良くて、洗濯日和☆

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つぎはぎがいっぱいの家々にはデザイン的センスを感じさせるものもしばしば。

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クロントイの人たちの仕事。お供え物の花輪作り、バイクタクシーの運転手、手押し車の屋台売り、建築現場、リサイクルなど、日雇いが多く収入も不安定だそうです。

丁寧に花輪を作っているおばちゃん。

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歩いていると挨拶してくれる気さくな人たちが多くて、驚かされます。きっと、案内役の吉田さんがどれだけ人々の懐に入って活動しているかの証ですね。

この路地は、ゴミを持ってきたら植物の鉢に引き換えます、という長年の活動が実った通り。清潔で、路地のみなさんのスマイルも明るいかな。

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スラムに暮らすみなさんが意外にも普通であったことに驚きつつも、実際に歩いてみれば、ゴミや水など衛生面の問題があり、不法で住んでいるからこそ立ち退けと言われた時にいったいどうすればいいのかという不安も伝わります。目にはしませんでしたが麻薬の問題も大きいそうです。そして偏見や差別という壁も立ちはだかります。

ここから脱けだしたいけれど、どうしたらいいんだろう。そんなことを思いつつ暑い中を歩きました。

オフィスに戻り、吉田さんが一人の女性のお話をしてくれました。今は外交官として活躍するオラタイさんは、クロントイで育ち、母親の屋台の仕事を手伝いながら、シーカー・アジアが運営する図書館の本を全て読み、寝る間も惜しんで勉強に励んだそうです。クロントイの子どもたちの希望の星として、もっともっと世界で活躍してほしいと願いました。

「クロントイスラムを歩こう」。次回は7月5日(水)と7月20日(木)です。
お問い合わせはシーカー・アジアへ♪