シンチャオ! サイゴンノオトのとら太です。
今回ご紹介するのは、ホーチミンのベトナム料理レストランではお馴染みの花料理のこと。
「サイゴンノオト」9号でもご紹介しましたがもう少し詳しく書きたいと思います♪
ベトナム南部のホーチミンはお花を使ったお料理が豊富。
日本にも季節によっては菜の花や桜などを食べたり、地域によっては菊の花を食べる文化がありますが、ホーチミンは1年じゅう暖かいのでいつでも花を食べることができるんです。花といってもビタミンや食物繊維が豊富な野菜のような位置づけ。エディブル・フラワーのような飾りではなく、食材として調理します。
ちなみに同じベトナムでも北部のハノイでは花を食べる習慣はないそうです。常夏のホーチミンと、ゆるやかな四季らしきものがあるハノイとでは流通する食材が異なるんですね。
まずはベトナム料理定番のティエン・リー(Bong thein Ly)。
日本では夜来香(イエライシャン)といいます。
花料理の中でもティエン・リーを使ったものは特に多い気がします。
ティエン・リーのガーリック炒め。/Cuc Gach Quan(クックガッククアン)
こちらもガーリック炒め。ガーリックの香りが食欲をそそります。/Huong Lai(フーンライ)
こちらは牛肉も入ってボリュームたっぷり。/Di Mai(ジ・マイ)
かぼちゃの花は炒めたり蒸したり揚げたりバリエーション豊富。
風味がまろやかなのでいろいろな料理に合うのです。栄養価も高いんですよ。
ただ花の中心の雄しべは苦いので、調理前に下ごしらえが必要。
ひとつひとつ雄しべをハサミで切り取り、ガクも食べた時に口に残るので取り除きます。
花の付け根のところが食感がよくいちばん美味しい部分なので茎は1cmほど残します。
レストランの店員さんたちがカボチャの花の下ごしらえをしているところを見かけたことがありました。/Quan Bui
気が遠くなりそうなこの量!
でもこのひと手間がベトナム料理の繊細な美味しさに繋がるんですよね。
かぼちゃの花とティエン・リーのガーリック炒め/Hoa Tuc(ホアトゥック)
かぼちゃの花に魚のすり身を詰めて蒸したもの/Bep Me In(ベップミーイン)
かぼちゃの花の肉詰めフライ/Van Diet Cooking Class
こちらは花ニラ。
パキパキと手で折って使います。
花ニラともやしの炒めもの/Hoa Tuc(ホアトゥック)
花ニラと牛肉の炒めもの/Huong Lai(フーンライ)
花ニラとエビの炒めもの/Van Diet Cooking Class
花ニラには日本のニラのような強い香りはありません。食べて見るとまずその甘みにびっくりします。花ニラの優しい甘みはどんな食材とも相性ばっちり☆
バナナの花。
鉄分やカルシウムが豊富で貧血予防に良いそうですよ。
市場では千切りにしたものも売られています。
バナナの花のサラダ/Hum Vegetarian, Garden&Restaurant
ベトナム料理にしては辛みの効いたサラダでした。
バナナの花はしっかりとアク抜きをすると味はほとんどなくなるので、食感を楽しみます♪
ベトナム料理だけではなく、ベトナムで人気のイタリアンレストランPizza 4p’sでも花料理を楽しむことができます。(Pizza 4p’sはハノイにもありますが、花料理はホーチミンの店舗限定のようです)
こちらは花パスタ/Pizza 4p’s
かぼちゃの花、ティエン・リー、上に乗っている黄色い花びらがBong kim cham(キムチャム)というユリ科のお花です。
そして花ピザ/Pizza 4p’s
かぼちゃの花、ティエン・リー、キムチャム、白胡蝶(シロゴチョウ Bong so dua)の花がトッピング。
こちらがシロゴチョウの花。芯を丁寧に取り除くと苦味はなく、爽やかな野菜の甘みを感じます。
最後にご紹介するのはベトナム南部の名物料理、花鍋!/Van Diet Cooking Class
華やかな見た目に場の雰囲気も盛り上がります♪
帽子をひっくり返したような形の鍋が独特ですね。真ん中のくぼみにことこと煮込んで出汁を取ったスープを入れ、回りに並べた具材をスライドさせてスープに加えていきます。魚介類を先に煮込み、花は食べる直前に加えます。煮込みすぎると花の食感やほのかな甘みがなくなってしまうので軽く火を通すのがポイント。花料理は基本しゃきしゃきとした食感を楽しむのがおすすめです☆
日本ではなかなか食べることができない美しくおいしい花料理。
ホーチミンを訪れた際にはぜひお試しくださいね♪