シンチャオ! サイゴンノオトのわん吉@台北です。
昔から賑やかな台北の問屋街・大稻埕の一角で、素敵なお店に出会いました。創業130年という老舗茶店「有記名茶」が2020年に立ち上げた新ブランドのティーハウス「WANGTEA LAB」です。
まるでおしゃれカフェ&バー、その正体はお茶屋さん
奥行きのある店内の中央を占めるのが巨大な楕円形のカウンター。ビールサーバー、豆を挽くマシン、エスプレッソマシンのような機器類が見えます。まさにおしゃれバー&カフェ。
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あまりにかっこいいので「おしゃれカフェみたいだね」と店員さんに言うと、「ありがとう。でもコーヒーはないんです。全部お茶なんですよ」とのこと。なるほど、サーバーもエスプレッソマシンもお茶用なんですね。
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台湾茶のオーダーは店員さんに聞くのがベスト
さて、カウンターでメニューを見てオーダーします。メニューはすべて台湾茶。それぞれの茶葉の発酵度、焙煎度、強さを1~10の数値でシンプルに表しています。お茶好きなら自分好みを見つけやすいリストですが、初心者にはなかなかのハードルの高さ。そんな時には、店員さんに「おすすめは何ですか?」と聞くのが一番です。
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わん吉 「おすすめは?」
店員さん「まず、どんな淹れ方にしましょうか?ハンドドリップ、ドラフト、濃縮茶のリーブプレッソなどがありますよ」
わん吉 「そんなにあるんですね。ドラフトって?」
店員さん「炭酸割りです。CO2(二酸化炭素)割りだと炭酸がややきつめ、N2(窒素)割りだと炭酸はソフトです。ビール割りもありますよ」
わん吉 「ほほぉ〜♡ ではN2で!」
店員さん「茶葉はどうしましょう?フルーティーとかお花の香り系がお好きか、しっかりお茶の風味を楽しみたいか」
わん吉 「迷うけど、お花系にしようかな」
まもなく、オリジナルグラスに注がれたアイスソーダティーが現れました。なんと美しい。
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微炭酸が喉ごしよく、お茶もなめらかでまろやかでおいしい。抽出具合も最適、さすが老舗の洗練された風味です。
WANGTEA LABの台湾茶は砂糖を加えたり、トッピングをすることがありません。あくまでもお茶の味を純粋に楽しんでほしい、そんな気概が伝わるお茶専門店のラインナップなのです。
都会とは思えない緑豊かな二階席
1階のカウンター脇、壁沿いにも席がありますが、「2階もどうぞ」と言われたので2階へ。階段をあがると、ため息が出るような癒しの空間が広がっていました。向かいの公園の緑がやさしくて、午前中の光にあふれていました。
ここは昔の建物をリノベーションした空間。壁には当時の赤煉瓦がそのままデザインに生かされていて、落ち着いた柔らかい雰囲気を醸し出しています。
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奥のエリアも温かく居心地のいい雰囲気。
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エスプレッソのアフォガードならぬ、濃縮台湾茶のティーフォガード
炭酸割りに満足して、ほかの淹れ方も味わってみたくなりました。店員さんが言っていた濃縮茶の「リーブプレッソ」が気になります。
せっかくなのでスイーツも食べたいと、アイスクリームに濃縮茶を合わせた一品をオーダーしてみました。バニラアイスにエスプレッソを合わせるアフォガードならぬ、アイスにお茶を合わせるティー(Tea)フォガード(すみません、わん吉命名)。
アイスクリームは台北のジェラート店「Double V」のもの、日によって味が違うそうですが当日は抹茶味でした。これに鉄観音の濃縮茶を合わせる選択。
まず、茶葉をマシンで粉砕。
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時間をかけて茶葉を濃縮抽出。
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エスプレッソのような濃い鉄観音茶ができました。
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キューブ状の抹茶アイスに濃縮鉄観音茶をかけて、ゆっくりと味わいました。これもおいしい。
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スイーツは他にも、台北にある人気ケーキ店やチョコレート店とのコラボメニューが楽しめます。
WANGTEA LABの伝えたいこと
70年以上も前から台北のこの場所に工場を構えて製茶を続け、そのお茶を台湾やアジア各地に販売してきた「有記名茶」。伝統ある老舗が生み出した新ブランドが、この「WANGTEA LAB」です。
お茶の風味に最も大切な三要素は、焙煎(Roasting)、茶葉の組み合わせ(Blending)、そして淹れ方(Brewing)なのだそう。「有記名茶」が長年培ってきたこれらの知識と技術に、WANGTEA LABは現代の味覚とセンスを掛け合わせて、今の時代にあった新しいお茶の楽しみ方を提案しています。
台湾茶にどんな可能性があるのか。そんなテーマを味覚ならず視覚でも感じられる場所。ぜひおすすめしたいスポットです。
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WANGTEA LAB
台北市大同區重慶北路二段64巷24號