シンチャオ!サイゴンノオトのわん吉です。
先日、古いiPhoneの写真を整理していて、ベトナムタイルの写真を見つけました。
10年ほど前、ホーチミンに暮らしていた頃に撮ったタイルの数々。色もカラフル、デザインもいろいろです。皆さんはどのタイルがお好きでしょうか?
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フランス統治時代にベトナムにやってきたセメントタイル
カラフルな幾何学模様のタイルは、ヨーロッパ発祥のセメントタイル。フランス統治時代にベトナムにやってきて、当時のコロニアル建築の床を彩りました。
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幾何学模様に仕上げたセメントタイルの床。レトロシックな雰囲気が素敵です。
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部屋と通路を区切るのも単色のセメントタイル。数種類のデザインを組み合わせて間取りも演出しています。
懐かしのセメントタイルが最近の流行に
ベトナムでは昔のものと扱われてきたセメントタイルですが、ここ10年ほどでその価値が一気に再認識され、流行りの店やホテルなどの床を彩るようになってきました。
シンプルながらもデザイン性に優れたセメントタイルは、敷き詰めればおしゃれな空間に仕上がり、1枚2枚と単体で使ってもアクセントになります。
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100%セメントのタイル
セメントタイルという名前からも想像できる通り、このタイルの原料はセメントです。
色を加えた様々な色のセメントを鉄製の型に流し込み、100トンもの水圧で固めて作ります。
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陶磁器のタイルは焼いて仕上げますが、セメントタイルは圧で固めます。そうして作る厚さ1センチ、20㎝四方ほどのタイルは、100%セメントなのでどっしり。1枚1kgくらいの重さです。
変幻自在な図柄に魅了されて
ベトナムでセメントタイルに出会って以来、わん吉は魅了され続けています。タイルを敷き詰めたフロアの華やかさも好きですし、タイルの図柄も見ているだけで楽しくて。
例えばこちらの図柄。一枚だとこんな感じですが、4枚組み合わせると・・・
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現れたのはクローバーのような円形の模様パターンと、
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テントの屋根のような反り返った円形の模様パターン。
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2つのパターンが連続してフロア一面を覆うところを想像すると、なんともドラマチック!
もう一つ。天使の羽のような一枚のタイル図柄が、4枚合わさると・・・
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さらにかわいいパターンが出現しました!
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ある日「古い家にタイルがあるよ〜」と聞いて、現地で引き取ったタイルたち。ホーチミンの古い家の床によく見かけるペールイエローのセメントタイルでした。
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つなげてみるとキュートなパターンが出現。南国の果物の女王と言われるマンゴスティンの図柄だそうです。
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見ているだけじゃ物足りない。セメントタイルを買って楽しむ
ホーチミンの古い建物の床を見て歩くだけでは物足りなくなり、ある日訪れたセメントタイルのショールームで、思わずセメントタイルを購入してしまいました。
そして届いたセメントタイルたち。水拭きして並べてみました。
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どうやって使おうかなぁと考えながら、とある店の片隅にあった椅子に載せてみるとかわいさに衝撃。そのまま、タイルをはめ込んだスツールを家具屋さんにオーダーして作ってもらいました。
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完成の一脚。そして愛用することまもなく10年。おしりにあたるセメントタイル部分はセメントだけあってひんやり、夏は涼やかです。常夏のホーチミンにはぴったりの素材なんだなぁ。。
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食卓の片隅に置いたこのスツール。目にするたびにホーチミンで出会った愛すべきセメントタイルたちのことを思い出して、ほっこりした気分を味わっています。