シンチャオ! サイゴンノオトのわん吉です。
江戸っ子のわん吉が、このたび人生で2回目の大阪を訪れました。
お好み焼きもたこ焼きも食べて、心斎橋と道頓堀を歩き、上方落語も観た翌朝に向かったのは「木津(きづ)卸売市場」でした。
300年の歴史、食のプロが集まる木津卸売市場
木津卸売市場は、なんば駅から徒歩10分。300年を超える歴史を持つ、日本最大級の民間の卸売市場です。
お店の数は約150店舗、魚、肉、野菜、乾物などから食堂や業務スーパーまで、天下の台所と呼ばれる大阪の新鮮な食材がわんさか集まっています。
https://kizu-ichiba.com/wp/wp-content/uploads/2024/03/map_202403.pdf
市場ですから早朝からプロの料理人さんや業者さんたちが仕入れにやってきますが、ここの懐の深さは、一般のお客さんや観光客も大歓迎してくれること。キョロキョロしているわん吉にもお店の方が気さくに話しかけてくださって、なんて楽しい市場!
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地元産「大阪もん」の伝統野菜もいろいろありました。守口大根(もりぐちだいこん)、難波葱(なんばねぎ)、天王寺蕪(てんのうじかぶ)、金時人参(きんときにんじん)、三島独活(みしまうど)などなど。
ところ変わって、お肉屋さんで見つけたのは、お好み焼き用の豚バラ肉。
江戸っ子には想像もつきませんでしたが、大阪にはお好み焼き用のお肉があるんですね。お好み焼きに合うように、丸い形状の薄切りバラ肉です。ちなみに浪花っ子が他の土地に行くと、お好み焼き用の肉が売っていないことに驚くのだとか。
関西は、だしの本場。木津市場で、だしに出会う
この市場が誕生した江戸時代の半ば。大阪は天下の台所と呼ばれるほど経済活動が活発で、全国から食材が集まってきていました。
北海道で採れた昆布は船で堺の港に運ばれ、紀州では保存の効く香り高いかつお節が作られていました。
和食のだしには主に昆布とかつお節があります。二つが合わさると旨みがグッと増し、その「合わせだし」こそ、食文化の中心である大阪や京都で好まれてきた味なのです。
そんなだしの食材が、木津市場には大集結しています。
福助屋鰹節店のご店主がかつお節について、やわらかい関西弁でいろいろお話ししてくださいました。
関東と関西では好まれるかつお節が違うそうです。上の写真、黄土色の方が関東向け、黒い方が関西向け。
江戸時代、食の中心だった関西から関東へ、かつお節も運ばれていました。輸送には日数がかかり、その間にカビが生えてしまったのがきっかけだそうですが、意外にもまろやかな上品な味わいとなり、関東で好まれるようになったとのこと。「枯節」と呼ばれています。
一方、関西でずっと好まれているのは、焙煎の香りが残り、スッキリとした香りが特徴の「荒節」です。
さて、かつお節の知識を得た後は、お隣の美濃商店さんへ。利尻などの昆布がたくさん並んでいました。その脇にあった「即席ブレンドだし」の看板、惹かれます。
かつお節と昆布のお話を聞いたわん吉、丁寧にだしを作ろうという気満々になり、削り節と昆布を買いました。福助屋鰹節店さんでは、削り節が日持ちするように真空処理をしてくれました。
美濃商店さんのとろろ昆布もふわふわでおいしそうだったので一緒に購入。→ただ今、めちゃめちゃおいしくいただいています!
どれもこれもおいしそうで買って帰りたいと悩みましたが、豆の八分屋商店さんが勧めて下さった少量生産の「谷町ぽんず」と手作りの山椒七味で手打ちとしました。
持ち帰った大阪の味の数々を今、おいしくいただいています。
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大阪の食の宝庫、木津卸売市場。ウェブサイトも楽しいのでご案内します!
https://kiduichiba.jp/
月2回開催される朝市がおすすめとのことですが、それ以外の日ももちろんお買い物OK!お昼前には閉まる店も多いので、朝8:30~10:30くらいがよいそうです。