ダラット市場にある3階の食堂。
いつ来てもどこか懐かしく、おいしい店があって庶民的な魅力があります。


フエ出身のTÂMさんの店です。
看板には、BỘT LỌC ボッ・ロッ(エビをタピオカ粉で包み、茹でたもの)
IT RAM イット・ラム(一口サイズの餅におかきをのせたもの)
BÁNH BÈO HUẾ バイン・ベオ・フエ(米粉を薄く丸く蒸したもの)と書いてあります。

皿の縁まわりにあるのが、BÁNH BÈO HUẾ バイン・ベオ・フエ です。もちもちした米粉の生地の上にエビの田麩(でんぶ)がふりかけられています。皿の真ん中にあるのは、 IT RAM イット・ラム で、もっちりした餅にさくさくしたおかきがのっています。どちらもヌックチャムのたれをかけて食べます。本場フエよりも甘めのたれが素材にしみてきてとてもおいしいです。

これは、BỘT LỌC ボッ・ロッ です。タピオカ芋をすり下ろし、水にさらして濾過したものを生地に使い、エビと緑豆あんをそれぞれ包んだものです。茹でるとエビが透けるほど透明になって、つるんとした歯ごたえになります。ピリッと辛い赤唐辛子入りのヌックマムのたれにつけて食べます。
何回か通ううちに、女将さんから「次はどこへ行くの?」と聞かれたので、「これから長旅がはじまるのですが、フエにも行きますよ。私はフエが大好きです」と伝えたら、「いつここを発つの?気をつけてね。よい旅を!」とやさしく微笑んでくれました。
ダラットのフエの味、フエの人々。ダラットでおいしいフエ料理が味わえるのは、ベトナム戦争の時、フエから避難してきた人々がダラットに住むようになり、数十年が経ち、フエ料理が親しまれるようになったからと聞きました。

ダラットで食べた BUN BO HUẾ ブン・ボー・フエ。牛骨スープの汁ビーフンです。
昔、フエで食べたブン・ボー・フエと同じ味がして懐かしくなりました。故郷の味を守りつづけている想いに胸がいっぱいになりました。