亀吉倶楽部のグループ展、〜ゆるkameサロン〜「旅するカメラ」無事に終了しました。
ベトナムの旧正月も古代中国に由来を持つものが多く、長い時を経て、ベトナムの多様な文化習慣になっているところに親しみを覚えて写真に収めました。
5つの果物 Mâm ngũ quả(マム・グー・クア)
ベトナムでは旧正月に一年の縁起をかついで5つの果物をご先祖様にお供えする習慣があります。Mâm (マム)は盆や大皿のことで、ngũ (グー)は古代中国の数字の5、quả (クア)は果物のことをいいます。高台の盆に、仏手柑(ブシュカン)・ドラゴンフルーツ・ココナッツの実・マンゴー・写真には写っていませんが釈迦頭(シャカトウ)を見栄えよく豪華にお供えしています。
これは、古代中国からの五行説(ごぎょうせつ)「万物は木・火・土・金・水(Mộc Hỏa Thổ Kim Thủy)の5種類の元素から成り立っている」ことから、地域によって果物の種類や飾り方に違いはありますがとても大切な習慣で、ベトナム北部では5色の果物を用意します。五行説の木=青色は未熟のバナナやパパイヤ、火=赤色は赤唐辛子やスイカやドラゴンフルーツ、土=黄色は仏手柑、ザボンやオレンジ、金=白色は梨など、水=黒っぽい色の果物というように5色をそろえます。
ベトナム南部は果物の名前を語呂合わせにして縁起をかつぐのだそうです。「Cầu vừa đủ xài sung (túc) カウ・ユア・ドゥー・サーイ・スン(トゥック)=何事も豊かで暮らせますように」という意味で、釈迦頭Mãng cầu、ココナッツの実Dừa/Vừa、パパイヤĐu đủ、マンゴーXoài 、フサナリイチジクSungをお供えします。
ベトナム中部のフエで撮影した5つの果物 Mâm ngũ quả(マム・グー・クア)は、五行説の5色に縁起担ぎの語呂合わせもあるようです。
仏手phật thủ(ファッ・トゥー)、フエの慈孝寺にて
年末にお正月のお供えに仏手phật thủ(ファッ・トゥー)や青い未熟のバナナなどがたくさん用意されていました。仏手phật thủ(ファッ・トゥー)とは、仏様が手を合わせているように見えるためにそう呼ばれています。日本では仏手柑(ブシュカン)と言われている柑橘系の果物です。
お正月の食卓
お正月の三日間はご先祖様と過ごすために、ごちそうを仏壇にお供えしてから家族みんなそろって食事をします。献立は特に精進料理にこだわらなくていいそうで、エビと豚肉の甘辛煮・セリと牛肉の炒めもの・揚げ豆腐の肉詰め・にがうりとエビのスープです。先祖代々受け継がれてきた味をごちそうになりました。