ベトナムには54の多様な民族が暮らしています。その中でもチャンパ王国時代の末裔が多く住むベトナム中南部にあるニントゥアン省チャム民族の村では、6月の新月を迎えてから1ヶ月間のラマダン(神聖な断食月)に入っています。
昨年の様子ですが、VAN LAM(ヴァン・ラン)村の写真を紹介します。
真白の民族衣装に身を包んだ女性たちが、頭にお供えものを乗せてモスクに運んでいるところです。ベトナムのアオザイとデザインは異なり、ワンピースの下はスカートをはいていて、頭に白いターバンを巻いています。
チャンパ王国は、2世紀〜17世紀の間、現在のベトナムの中部から南部にかけて広く栄えた国でした。ベトナムやカンボジアの一部では現在もチャム民族が暮らしていて文化伝統が受け継がれています。チャム民族にはバラモンといわれるヒンズー教徒やチャム・バニといわれるイスラム教徒などがいます。こちらのVAN LAM(ヴァン・ラン)村は、チャム・バニを信仰しています。
女性たちが、モスクでラマダン中の家人にお供えものを届けています。ラマダンは日の出から日没の間までは断食が行われ、夜になると村人が集まり礼拝をします。
とてもカラフルな包みが並んでいます。お供えもののビンロウの実に石灰とキンマの葉やロウソク、チャム民族の食事が入っているそうです。