東南アジアに最古といわれるLàng gốm Bàu Trúc「バウチュック陶器村」を訪ねました。
ベトナム中南部沿岸地域ニントゥアン省にあるチャム民族の村です。
ベトナムには、かつてチャンパ王国(2世紀-19世紀)がありました。現在、チャム民族の多くはニントゥアン省やビントゥアン省に住み、昔からの暮らしの知恵を継承し伝統文化を守りつづけています。バウチュック陶器村では、ユネスコ無形文化遺産への登録に向けて準備がすすめられていますが、古代チャンパ王国のサンクチュアリ「Mỹ Sơn」(ミーソン遺跡)は、ベトナム中部クアンナム省山間の盆地にあり、世界文化遺産として1999年に登録されています。
はじめてバウチュック陶器村を訪れたときに「どうして、この村で陶器がつくられているのですか?」と質問をしたところ、「川があるから」と教わったことがありました。
その川の名前は、「クアオ川」Sông Quao/ソン クワオといいます。陶器をつくるためには、クアオ川の白い砂と村の田んぼを掘りおこした下の方の土をつかいます。手でこねていくとなめらかな粘土になります。
Sông Quao クアオ川 とても静かな川です。
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クアオ川は、シルクのような光沢がありました。きめ細やかな白い砂は陶器づくりに欠かすことのできない鉱物が含まれています。
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村の田んぼです。稲刈りが終わって田んぼを焼いたあとに、土を掘り出します。
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いつも快く案内をしてくれるTiênさんとお嬢さん。
積み上げられた藁(わら)は、野焼きをするときに使います。バウチュック陶器村の田んぼや川で、土も砂も藁も材料がすべて揃います。太陽と風と大地のめぐみを受けて、この場所でずっと陶器づくりがおこなわれています。
取材・撮影協力:Gốm Bàu Trúc-Mỹ Tiên(バウチュック陶器村)