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VOL.172 フエのラグーン、エビの養殖場にて

release : 2020-11-30 category : ベトナム〜おいしい散歩〜

フエ沿岸につながるTam Giang-Cầu Hai(タム・ジャン-ハウ・カイ)ラグーン地域は、浅瀬の沼地を活かしたエビの養殖がひろく行われています。

 

©yukiko aoki

Phú Vang(フー・ヴァン)地区にあるエビの養殖場からの町の眺めです。Thuận An(トゥアン・アン)ビーチにいく道路があり民家が建ち並んでいます。

*この辺りは、Thanh Lam ラグーンになると思います。Tam Giangラグーンと、Cầu Haiラグーンの中間にあります。
地図:Thanh Lam ラグーン

 

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小舟に乗せてもらい、エビの養殖場(ラグーン)を進んでいくと、鏡のようなきれいな水面に空や雲がどこまでも映り込んでいて、天と地がつながっているようにみえました。

 

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魚カゴと私は呼んでいますが、竹の筒を沈ませておくだけで、魚や蟹が採れるそうです。エビの養殖場は、オーナーごとに竹と網で仕切られています。

 

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ラグーンに自生する海草を土手に広げて乾燥させています。昔は、マングローブもあったそうです。ラグーンの水のなかは森のようになっていて、エビだけでなくカニも魚も、田うなぎもいます。漁師さんに、エビの養殖に稚エビは放流していますか?と訪ねたところ、稚エビは必要なときだけ購入するそうで、ほとんどのエビはラグーンでうまれてプランクトンを食べて、自然に近い環境で育っています。

乾燥させた海草は、エビと海草のスープなどにします。磯の香りとエビのコクのある甘みがやさしい味のスープです。フエには、エビ料理はたくさんあります。エビの塩辛(トム・チュア)・バナナの葉で包んだエビ入りのタピオカもち(バィン・ボッロ)・エビのつくねレモングラス風味(チャオ・トム)・エビと豚肉の甘辛煮・柑橘のザボンとエビと干しイカを炙ったハーブの和えもの(これは、エビせんやライスペーパーせんべいにのせて食べると美味!)などなど。どれも地元でうまれた伝統的な料理です。

 

「台風2020」

今年は、ベトナム中部地方に大きな台風が連続して上陸しました。台風22号(ベトナムでは、Bão số 13 Vàm Cỏ)を入れて7つほどの台風がベトナムを通り甚大な水災害が起こりました。

先日、ラグーンに住む友人にお見舞いの電話をしたところ、「洪水には昔から慣れているけれど、今年は、大変な年になった。田んぼに面している部屋は、1ヶ月以上も水に浸かったままだ。ひどい時は、首まで水位が上がってきたんだ。」と、かすれた、疲れた声で話していました。家のなかで大切なものは、机の上やビール瓶のケースでできるだけ高床にして、水に濡れないようにしています。家の前の道路は川のように水があふれて小舟を漕いで市場にいく日もあったそうです。

前回、Cầu Ca Cút (Tam Giangラグーンの橋)のことを書きましたが、ベトナムの報道によると、今回の洪水で道路のアスファルトははがれてボロボロになっています(a)。Tam Giangラグーン周辺のフォンチャー町(b)、クアンディン地区(c)の様子からも大変な苦労や忍耐が察しられます。

 

 

 

©yukiko aoki

乾季のころに訪れたエビの養殖場は静かでした。船つき場には、トタンや木製の長細い小舟が停まっていました。

 

©yukiko aoki

船つき場で、足元に黄色い花をみつけました。
この花の根は、チャム民族の村では薬草として知られています。根をお茶にして飲むと悪寒や頭痛にいいそうです。

 

©yukiko aoki

この黒い実は、昔、フエで、字を書く時のインクに使っていたそうです。

船つき場の片隅で、一株ずつ花が咲いて、種をつけていました。今回の洪水でどうなっているだろうかと気になって写真を選びました。

 

©yukiko aoki

エビの養殖場にあるCầu Diên Trường(ディエン・チュン橋)です。洪水がひどいときは通行禁止になりましたが、フエの街とラグーン地域をつないでいる昔からある橋です。この橋から街に向かうと、田んぼと畑と住宅街がひろがっていきます。もうすぐ日が暮れるころの写真ですが、ここからみえる夕焼けは、オレンジ色に輝いてとてもきれいです。

 
 
フォトグラファー 青木由希子