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VOL.173  Cháo Tôm(チャオ・トム)〜エビのお粥〜

release : category : ベトナム〜おいしい散歩〜

フエの雨季は、12月を過ぎればそろそろ終わるころですが、今年は寒くて冷たい雨の日もあるそうです。日本も寒波がつづきそうなので、あたたかいお粥が恋しくなりました。

今回は、フエのラグーン地域に住むHoaさんのレシピをご紹介します。
私がフエに行くと、いつもエビのお粥を用意して迎えてくれます。長旅で疲れている身体に沁みわたる滋味あふれる味です。ラグーン地域の豊かな自然のなかで育てられたお米と新鮮なエビ、ベトナムを代表する調味料ヌックマム(魚醤)でつくります。
 

Cháo Tôm(チャオ・トム)〜エビのお粥〜

〈材料〉
 *お茶碗に4杯分ほど、どんぶりなら2〜3杯の分量です
白米 1cup
皮をむいたエビ 200g
エビの下味として
・赤エシャロット 3〜5かけ スライス
 *わけぎの白い根の部分、白いエシャロットで代用
・ヌックマム 大さじ2〜3
・塩 少々
・黒コショウ 少々
・うま味調味料 あれば、少々

トッピング(適量)
・わけぎの葉の部分 小口切り
・コリアンダー  ざく切り
・黒コショウ 粗めにひいたもの

 ① 鍋に洗った白米を入れて20分ほど浸水し、弱火でお粥をつくります
 ② エビを赤エシャロット、ヌックマム・塩・黒コショウにつけておく(10分ほど)
 ③ お米がやわらかくなって、お米の花が咲いてきたら、②のエビを入れます
 ④ エビに火が通ったら、お茶碗によそい、わけぎの葉・コリアンダーをのせて、黒コショウをふります

日本で調理をしてみたところ、フエのラグーン地域ではエビの養殖が行われており、新鮮なエビをつかいますが、日本では入手がむずかしいので風味を出すため、仕上げにヌックマムを1さじ加えました。それと、日本のお米は粘りがでてくるので、たっぷりの水でお粥を炊くようにしました。

 

©yukiko aoki

Hoaさんのエビのお粥と魚のお粥です。エビや魚の新鮮さと甘みのある出汁がきいて、とてもおいしいです。
ラグーン地域の魚介類は、くせがなく香りよく、身はやわらかくて食べやすいです。Hoaさんにきいてみたところ魚のお粥も同じレシピでつくれるそうです。

 

©yukiko aoki
©yukiko aoki

下味つけをしたエビで、Tôm xào rau(トム・サオ・ラウ)という、エビと野菜の炒めものをいただいたことがありました。

フライパンに油を熱し、にんにくを入れて、下味をつけたエビを炒めます。次に、さやいんげんとにんじんを炒めます。さやいんげんは、ナイフで切り込みを入れておくと火の通りがよくなり、味がからんでしみやすくなります。わけぎの葉(長さは3cmほど)を入れて火をとめます。

お皿に盛り、黒コショウをふりコリアンダーをのせます。スパイスとハーブがアクセントになりエビのソースが野菜によくからんで、ごはんが進みます。

 

©yukiko aoki

フエのラグーン地域のひとつ、Phú Vang(フー・ヴァン)地区にて。Hoaさんの住まいのある集落の沼地の田んぼの風景です。この辺りは、ラグーンの地形や生態系を活かしてエビの養殖と稲作も広く行われています。フエの雨季にあたる9月から12月の間は、洪水が起こりやすく、暮らしに厳しいときもありますが、エビの養殖場や稲刈り後の乾田に水があふれ栄養分がゆきわたると、土壌が豊かになり恵をもたらすといわれています。

 
 
フォトグラファー 青木由希子
 
 

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おすすめは、旧正月までの期間限定のバイン テット ( bánh tét ) ・バイン チュン ( bánh chung ) 。
お正月のちまきです。フライパンでこんがりと焼いて、醤油やヌックマムのつけだれでいただきます。
私は渋めのお茶といただくのが好きです。