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VOL.193 チャム民族の村 ぶどう農園にて

release : category : ベトナム〜おいしい散歩〜

ニントゥアン省は、乾燥した気候に、美しい海と太陽と風の恵みをうけて、ぶどう、天日塩、エビの養殖、青りんご(なつめ)、にんにく、赤シャロット、アスパラガスなどの生産地としても有名です。特にぶどうはベトナムで最も広く栽培されています。ワインにしたり、シロップにしたり、生のまま食べるのもいいですし自家製のぶどう酒などもフルーティーでとてもおいしいです。

海岸沿いのヌイチュア国立公園に隣接するタイアン村のぶどう農園には観光客がよく訪れるようになりました。ニントゥアン省は、ぶどう栽培に適した土地で、さまざまな種類のぶどうが育てられているそうです。もし、チャム民族の村に行くときがあれば、プライベートツアーで農園めぐりや村の市場でぶどうを探してみてください。色鮮やかな粒ぞろいで房づくりは美しく、みずみずしい甘みとほのかな酸味のバランスに、手がとまらなくなるでしょう。日本にはないぶどうの味です。

 

©yukiko aoki

友だちのおすすめのぶどう農園に行きました。
通りから見下ろしたぶどう棚の緑がいきいきとしていました。案内をしてくれたチャム民族の友だちは、ベトナム多数民族であるキン族(ベト族)の農風景と、チャム人の農風景はちがいますよ。と、さらりと教えてくれました。心に響く言葉でした。チャム民族の村にいると、まっすぐな道や畑よりもゆるやかで奥ゆきのある風景がつながっていると感じていたからです。

 

©yukiko aoki

Palei Baoh Deng / Phú Nhuận村にて(チャム語の村の名前 / ベトナム名)
Đàng Văn Vương(ダン・ヴァン・ヴォン)さんのぶどう農園を訪問しました。日差しの強い日中に、ぶどう棚の下にいると暑さもやわらいで、ゆるやかな気持ちになりました。

 

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Nho đỏ(赤系のぶどう)は、そのまま食べたり、ロゼワインにしたりします。ニントゥアン省のぶどう農園でよくみかけます。さっぱりした甘みにほのかな酸味と香りに癒されます。私も大好きなぶどうです。

 

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Nho Xanh(緑色のぶどう)は、ワインになるとききました。ぶどう畑は風通しよく整えられていて、マスカットのようなさわやかな香りがしました。

 

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ぶどう農園を経営するĐàng Văn Vương(ダン・ヴァン・ヴォン)さんです。数種類のぶどうを育てています。花が咲いているもの実をつけているもの、成長に合わせながら、房の形や長く伸びたつるや葉を整えて、農園の隅々まで丁寧な仕事をしています。チャム民族は母系社会のため、婿入りをして結婚を期にぶどう栽培をはじめるようになりました。25年ほどになるそうです。

 

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ぶどうの花が咲き実をつけはじめたころを初めてみました。ぶどうの花について調べたところ、つぼみの外皮、花冠(かかん)というものがはがれ落ちて、花びらのない、めしべとおしべだけの状態で咲いて、風によって受粉するのだそうです。

 

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農園に友人知人が集まってきて、Cây Neem(ニームの木)の大きな木の下でお昼ごはんをごちそうになりました。

 

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この農園で栽培されたぶどうでつくられた赤ワインです。ニントゥアン省のとなりラムドン省ダラットでワインはつくられています。ベトナムのフランス統治下時代にワインやコーヒーなどが持ちこまれ食文化が広まっていきました。農園でいただく地元料理とワインは格別でした。すっきりした飲み心地で、フルーティーな香りに包まれました。

 

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赤ワインといただいた雷魚(Cá Lóc)料理とチャム民族の野菜スープのテーブルです。

・Canh Chua Cá Lóc (写真左側のスープ)
雷魚の甘酸っぱいスープです。雷魚のコクのあるスープと野菜をたっぷりいただきました。バナナのつぼみとトマトとパイナップル入りで、チャム民族のカインチュアスープはタマリンドの若葉で仕上げます。

・Cá Lóc Nướng (スープボウルの後側の焼き魚)
雷魚を焼いたものは、ヌックチャムのたれにつけて、きゅうりやレタスといただきました。雷魚は脂がのっていて香ばしく赤ワインとの相性もよかったです。

・Ia bai Tapung / Canh Bồi(写真右側のスープ)
チャム民族のレシピで、野菜いっぱいの米粉入りのスープです。

・Cá Lóc xào với Bún Tàu (写真手前の麺料理)
雷魚と春雨の炒めものです。雷魚のうまみをたっぷり含んだ春雨がとてもおいしかったです。雷魚料理とワインを心ゆくまで楽しみました。

 

©yukiko aoki

納屋では、ぶどうの仕分けをしたり美しく切り揃えたりしていました。

 

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美しいルビー色のぶどう。Nho đỏ(赤いぶどう)は、このまま食べたり、シロップに仕込んだりします。

 

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農園でつくられたMật nho /Siro nho(ぶどうのシロップ)です。グラスに氷を浮かべて冷たい飲みものにします。ノンアルコールです。

 

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お料理をつくってくださった奥様と。チャム民族の夫婦はとても仲がいいです。カメラを向けるといつもアツアツの写真を撮らせてもらいます。あたたかいもてなしに、すっかり甘えてしまうほどに楽しい時間を過ごしました。
                          
 
 

©yukiko aoki

農園のエントランスには、つる性のrjem mbat(Chùm bát/Bình bát dây)が、白い花を咲かせていました。

 

©yukiko aoki

白い花は、甘酸っぱい赤い実をつけます。葉は栄養がありチャム民族の野菜たっぷりの米粉入りのスープなどにもつかわれます。

 
取材協力:BI Travel – Teambuilding/Tour Trải Nghiệm – Khám Phá WebSite

 
 
フォトグラファー 青木由希子