チャム民族の友だちと、ポー・クロン・ガライ*(チャム塔)へお参りをした帰りに、青りんご(Táo Xanh)を栽培する農家に立ち寄りました。ニントゥアン省の名産品で、ぶどう(☆) に次いでベトナムで人気のフルーツです。
*ポー・クロン・ガライ / Po Klong Garai
チャンパ王国の時代に建立されたチャム塔です。ニントゥアン省の省都ファンラン=タップチャム市の丘の上にあり街を一望できます。ポー・クロン・ガライ王やポー・ロ・メ王(ポーロメ塔)は、灌漑事業に着手しており現在の農業にも活かされているようです。
ニントゥアン省の太陽と風の恵み、乾燥した気候を活かして、ファンランのぶどう、ファンランの在来種といわれる青りんご、ファンラン固有のニンニクなどは、ベトナム国内で広く知られるようになりました。
ファンランの青りんご(Táo Xanh)です。
青りんごと呼ばれていますが、本当は「青なつめ」です。半分に割ると種は一つだけで、さっぱりした青りんごのような甘みがあり、ジューシーでサクサク食べられます。ビタミンが柑橘類よりも多く、ミネラル類のカリウム、カルシウム、鉄分なども豊富です。
青りんごの棚に鈴なりの実がなっていました。畑のまわりには田んぼが広がっていて、涼しい風が通り抜けていくと、青りんごはグリーンカーテンのようにふわりとゆるく揺れます。
ライトグリーンの小さな花が咲いていました。葉の付け根部分にたくさんついていて、それで、鈴なりに実がなるようです。
棚を見上げると、葉の裏側はグレーがかった緑色をしていて、実も花も葉もそれぞれに趣のあるグリーンです。なつめは、完熟して乾燥させた漢方のイメージがありますが、青りんごと呼ばれる青いなつめは、生で食べて、記憶力・免疫力・胃や腸の消化器系・骨の強化、美容にも効果があるそうです。
畑には平飼いの鶏がいました。青りんごの棚の下では、家畜用の野草が育てられています。アヒル、ニワトリ、ウサギなどのエサにします。
摘みたての青りんご(Táo Xanh)は、ホーチミンにも届けられるそうです。私も日本に持って帰りたくなりました。
友だちの家に戻り、お昼ごはんの後にいただきました。サクサクした歯ごたえとみずみずしさにすっきり喉をうるおしました。さわやかなあまい香りに、ほっと一息つきました。
ファンラン=タップチャム市 トゥアン・トゥ村近郊にて。
取材協力:Nyさん