今年の中秋の名月は満月でしたね。とてもきれいでした。友だちのブログなどから月餅の話がでてくると、日本の夏の終わりと、ベトナムの短い秋に思いを寄せてみたい気持ちになります。ベトナムに住んだことがないので、ベトナムの秋を語れないのですが、今年の夏に見た青い風景が、秋の支度をはじめるのだなあと、空を見上げたりしています。
古い写真ですが、2006年の中秋(旧暦の8月15日)の頃に撮りました。 昔のフエは、街の中心も暗かったのですが、獅子舞いのおみこしと、シクロに乗った太鼓の祭ばやしを見ることができました。暗いけれどたくさんの人がお祭りを見守っていました。
数年前までは、10月にベトナムに行くことが多かったので、成田発の同日着便(サイゴン乗換)に乗ると、夜、フエに到着します。もうすぐ、フエに着くはずなのに、街の明かりが全然見えない時がありました。空には大きな満月がでていましたが、空と大地の境目がないほど暗い夜でした。そして、プロペラ機が低空飛行する頃に、台風の影響で田んぼや家が浸水しているのだと気づきました。フエなどベトナム中部は、10月に入ると大きな台風が来て、洪水の被害がでます。小さな家は押し流されて、自然はきびしい足跡を残しますが、田畑の土がひっくりかえり豊かな大地をつくってくれて、旧正月を迎える春には、田植えをするんだよ。という話を聞きました。はっとさせられて、大地の恵みを心からありがたいと思えるできごとでした。