フエのタムジャンラグーンの橋 Cầu Ca Cút(カー・カット橋)* を渡り、クアンディエン地区にいきました。
*VOL.171 Cầu Ca Cút Tam Giangラグーンの橋は、クアンティン地区から対岸の様子を書いています。
橋を渡るとき、タムジャンラグーンの岸沿いにつづくエビの養殖場が見渡せます。橋ができるまでは、渡し船でいくところだったので、以前から気になっていました。
クアンディン地区に到着すると朝靄が立ちこめていて東シナ海にのぼる太陽の光が眩しく感じました。
エビの養殖場の祭壇です。菊の花とお線香とコップの水は新しく入れかえられていました。
以前、地元の友人からきいた話によると、エビが健やかに育ちますように、土地・空・風・太陽・自然の恵みをお祈りするのだそうです。
道からエビの養殖場へ渡る丸太1本の渡り橋がありました。
タムジャン-カウハイラグーン(フエ沿岸につながるラグーン)の豊かな漁場からもどってきた村の漁師さんの小舟です。クアンディン地区は、タムジャンラグーンの最も広い水域があるところです。
道を隔てて、エビの養殖場から水田へと景色は移ります。フエのラグーン地域は雨季の洪水や塩害をうけながらも生態系や風土を生かした暮らしの風景を紡いできた伝統があると思います。
水田にユニークな仕掛けを見つけました。
緩やかな水域を設けて魚とりの網カゴを設置しています。
水田は、お米を育てながらさまざまな生きものたちの住み家にもなっています。小さな魚が、今一瞬、水音を立てて、再び静寂に包まれました。
ラグーンに最も近いエビの養殖場の方へ歩きました。
畦に咲く花。ラグーンから穏やかな風が通り抜けます。
エビの養殖場は、オーナーごとに網と竹で仕切られています。すぐ向こうは、海のように広いタムジャンラグーンです。
エビの養殖場の近くには、Cho con gáiという市場があります。直訳すると女の子(娘)の市場です。
市場は、ラグーンに面していて小船で新鮮な魚介類が持ち込まれています。
白魚のような透明な小魚は、Cá cơm(カーコム)です。タムジャンラグーンの Cá cơm は香りも味もよく高価に取引がされるそうです。
エビとラグーンでとれる魚。小さな市場に漁場の豊かさがみえてきます。
魚売りのお母さんがハサミでエビのヒゲを切って下処理をしていました。
貝類も豊富です。はまぐりが新鮮でとびきり美味しそうでした。
しじみはフエのしじみごはんで有名です。ぷっくりとした粒揃いです。
魚介売り場は、ラグーンのあまい磯の香りがしました。
地元の畑で採れた野菜です。手前の赤いアマランサスの葉は、湯掻いてかたくしぼって水気をきり、エビ味噌入りのつけだれと食べると濃厚であとを引く美味しさです。暑い日に食べると元気が出てきます。