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VOL.167 タントアン瓦橋にて

release : 2020-6-21 category : ベトナム〜おいしい散歩〜

今年の旧正月のころはフエにいました。ちょうど田植えのシーズンを迎えていて、薄曇りの空に淡い緑が映えてきれいでした。これもフエらしい風景です。
 

©yukiko aoki

水田に白鷺の群れが舞い降りてきて田んぼをつついています。水田は水鳥にとってごちそうがあるところなので、おそらく小魚やおたまじゃくしなどを探しているのでしょう。久しぶりにフエで白鷺をみることができました。昔と変わらない風景に心が和みます。
 

©yukiko aoki

屋根付きの橋 Cầu ngói Thanh Toàn(カウ・ゴイ・タン・トゥアン)です。

フエの中心地から8キロほど田んぼの広がる道をいくと、瓦屋根のついた木造の橋「タントアン瓦橋」につきます。この橋の通路の両側には板張りの長い椅子があり、村人が涼みにきたり横になって昼寝をしたり、子どもたちがカードゲームなどして憩いの場となっています。田んぼや川からはさわやかな風がふわりと通り抜けていき、心地よい時間が流れます。

タントアン瓦橋は、1776年のころTrần Thị Đạo(トラン・ティ・ダオ)さんという夫人が私財を提供し洪水で困っている村のために建てられました。今年で244年になります。

>>モザイクの美しいタントアン瓦橋 VOL.6 https://p-pho.com/column/vietnamgourmet/5287
 

©yukiko aoki

橋の入口に貴重なガラス瓶や陶器の破片がはめこまれたモザイク装飾が施されています。橋の前で家族や友だち同士で記念写真を撮っていました。うれしそうな笑顔がこぼれます。
 

©yukiko aoki

橋の中ほどに祭壇があります。橋をつくられたTrần Thị Đạo(トラン・ティ・ダオ)さんを崇拝しています。お線香とお花と果物に、カラフルなアオザイや紙銭の冥器が供えられています。
 

©yukiko aoki

橋の下を流れる川にアヒルが泳いでいました。
 

©yukiko aoki

ホテイアオイの根元をくちばしでつついています。天然の小さなシジミを食べているようです。
 

©yukiko aoki

こんなに活き活きとしたアヒルをはじめてみました。好きなように泳いで、シジミを食べて、くるりと水にもぐって得意げに(?)大きな貝などもくわえていました。
 

©yukiko aoki

フエのシジミ料理といえば、コム・ヘン(シジミごはん)とブン・ヘン(シジミ麺)が有名です。市場でシジミ麺を買いました。ビニール袋にシジミ入りのビーフンと、サクサクしたアクセントになる素揚げビーフンが少々、豚皮をかりっと揚げたもの、薄皮付きの揚げピーナッツ、みずみずしいバナナのつぼみのスライスにコリアンダー、シジミスープ入りのタレが小袋に入っています。
 

©yukiko aoki

米粒ほどの小さなシジミですが、混ぜれば混ぜるほどうまみが増してきます。食材の組み合わせが絶妙でサクサクした食感も楽しくて、じんわりとフエの味が沁みてきます。
 

最新情報:現在、タントアン瓦橋は修復のため解体されています。科学者や歴史専門家などによるチームでオリジナルの素材を最優先に活かして復元されます。
Tiến hành hạ giải để trùng tu cầu ngói Thanh Toàn, di tích hơn 2 thế kỷ(TuoiTre新聞/ベトナム語)

 
 
フォトグラファー 青木由希子