ベトナムのニントゥアン省の村に日本語学校を設立・運営されているNPO法人 学び舎つばさよりチャム民族の村の写真展のお話をいただき、先月は名古屋にいきました。
ワールド・コラボ・フェスタというイベントがあり国際交流・国際協力・多文化共生をテーマに国内外の団体が参加していて、メインステージでは活動報告に伝統的な音楽や舞踊が披露されました。今年は、日越外交関係樹立50周年にあたり、NPO法人 学び舎つばさの企画でその事業認定を受けたチャム族の伝統継承楽団「Kawom khik nam krung(カヴォム・キム・ナム・クルン)」の来日と舞踊公演が実現しました。
私は、イベントのブースで学び舎つばさ日本語学校とチャム民族の村の写真展をしました。
チャム民族の村にある学び舎つばさ日本語学校の様子です。チャム族とキン族(ベト族)の生徒さんが通っていました。日本語が話せたら、将来の仕事や暮らしに選択肢が広がるので、継続した支援のもと、先生も生徒も熱心に授業をしています。
*現在、日本語学校はニントゥアン省ファンラン市内に移転しています。
来場者の方々から、日本語学校のことや展示していたチャム族の楽器について、かつて、チャンパ王国があった話から、美しい民族衣装にベトナム料理の話までと幅広く質問があり、上手く応えられない部分もありましたが、草の根の人と人とのつながりを感じられる機会となりました。
Kawom khik nam krung(カヴォム・キム・ナム・クルン)のブーさんとジャノットさんが演奏をしています。同郷の仲間も会場に駆けつけています。
写真展の内容は、チャム民族のつみ草を訪ねて・伝統医療のお母さんの生業の風景・バウチュック陶器村・織物の村にある蓮池レストラン・学び舎つばさ日本語学校・ヌイチュア国立公園です。
昔からの先人の暮らしの知恵が継承され、自然との調和に思いを寄せながら作品づくりをしました。チャンパ時代からのリビング・ヘリテージ(生きている遺産)というテーマでカメラに収めたものです。
「チャム民族のつみ草を訪ねて」
つみ草の食文化があり、庭のミチヤナギ(Rau đắng)とカーコム(Cá Cơm)というヌックマムの材料にもなる小魚で米粉スープをごちそうになりました(☆)。
「伝統医療のお母さんの生業の風景」
朝ごはんのバンカン(Bánh canh)というスープ麺と、中庭に集められた様々な薬草の写真です。大きなナタで切って乾燥させます(☆)。
バウチュック陶器村のコーナーには、ティーセットとチャム塔のミニチュア、織物の村から民族衣装につける手織りの帯とシバ神のモチーフ、遺跡・織物・伝統食について執筆された書籍などを展示しました。
バウチュック陶器村は、ユネスコの無形文化遺産として東南アジア最古の陶器づくりが認定され(2022年)、海岸沿いのヌイチュア国立公園は、アフリカのような暑くて乾燥した生態系がありファンラン乾燥林・希少なサンゴ、ウミガメが卵を産みにくる海域・半砂漠が、世界生物圏保護区/ユネスコエコパークとなりました(2021年)。
織物の村にある蓮池レストランSen Caraihは、子どもたちに人気で遊びながら生態系のおもしろさや伝統文化を学ぶ場になっていて、チャムコミュニティの取り組みに興味を持ちました。
今年の5月に久しぶりに訪問したバウチュック陶器村・初めてのヌイチュア国立公園・村の中の蓮池レストランのことなど、今後、フォトエッセイでご紹介できればと思っています。
この写真は、ワールド・コラボ・フェスタのバックステージの様子です。
Kawom khik nam krung(カヴォム・キム・ナム・クルン)のカフューさんとブーさんと仲間が集まりこれから本番を迎えるところです。