クアンナム省から中部高原コントゥム省に入り、バナ民族の村に立ち寄ることができました。
VOL.220 VOL.221のつづきです。
Nhà Rông(ニャー・ロン)という高床式の茅葺き屋根の家を建てていました。村の集会所になるそうです。大きな屋根の美しいシンボリックな佇まいです。
正面から見たNhà Rôngの骨組みです。
屋根に人が登って作業をしているので、大きさがわかると思います。
右側にはタマリンドの大木があります。
斜めからみたNhà Rôngです。夕陽が差し込んできれいでした。
高床式の梁の長い奥行きのあるスペースに大きな屋根をのせた家です。車を走らせながらコントゥム省の山村にみるNhà Rôngは村によって少しずつ違いがあり興味深かったです。
村人は今日の仕事を終えて、タマリンドの実を焼いて食べていました。Nhà Rôngは2週間ほどで完成すると教えてくれました。今年、再訪できそうなので楽しみにしているところです。
ここは、Làng Kon Jơ Dri / コンジョリー村といいます。小高い丘の上にあり、村に入ると風が心地よく吹いてきて、風につつまれる感じがしました。丘の上からゆるやかな川の流れやコントゥムの山々が見晴らせるうつくしい村です。
Nhà Rôngを内側から見上げると支柱は木材でした。外まわりは丸竹を組んでいました。全て籐で結えています。
壁面には、竹を半分に割ったものを格子状に結んでいました。
籐を水に浸して曲げやすくしています。
正面入り口の辺りです。竹で組んだ木舞は塗り壁にするのかは未確認です。風が通り抜けていくので天然のいい香りがします。
太い丸太には、Rượu cần(ルオウ・カン)壺酒をストローで飲む絵が描かれていました。お祭りの日に壺酒を飲み交わす神聖な場所なのだと思います。
民家の方に行くと、土壁が塗られた高床式の家があり庭で箒(ほうき)をつくっていました。
村の子どもたちがずっと見守っています。少しずつ手伝いをしながら覚えていくのでしょう。
家の入り口には、Nhà Rôngの茅葺き屋根にふく草がパネル状に束ねられていました。
広場には教会があり、ミサの時間に人が集まりはじめました。中部高原にはキリスト教を信仰する村があります。ベトナム中部高原におけるキリスト教は19世紀中頃からフランスの宣教師による布教活動からはじまったそうです。
教会の前にバナ民族のCây nêu(カイネウ)がありました。竹でできています。おそらくベトナムの旧正月を祝うためCây nêuが設置されたと思います。バナ民族にも伝統文化の継承があり、Nhà Rôngと共にCây nêuは重要な役割を担ってると思います。
少数民族のCây nêuは、今まで、ハノイの民族学博物館でしかみたことがなかったので、感動しました。
モチーフはそれぞれに意味や願いが込められていると思いますが、言葉にならないくらいに素晴らしかったです。
村の子どもたちが集まってきました。
教会の前で、村人が織物にくるまって神父さんがくるのを待っている姿が印象に残りました。