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VOL.108 タントアン瓦橋 〜睡蓮の花咲くフエの瓦橋〜

release : category : ベトナム〜おいしい散歩〜

フォトエッセイで以前ご紹介したフエのタントアン瓦橋。
夏に訪れるといつも睡蓮の花が出迎えてくれます。

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タントアン瓦橋 Cầu ngói Thanh Toàn(カウ・ゴイ・タント・アン)。瓦屋根のついた橋は、1700年代はじめに、村のためにある婦人が私財をつかって掛けられました。

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タントアン瓦橋 Cầu ngói Thanh Toàn
1700年代はじめ、この場所には粗末な橋しかなく、
雨が続いて川が増水すると橋は流され水に浸かりながら渡るしかありませんでした。 その姿を見た子どものいないある婦人が「自分が死んだら弔ってくれる人もいない。それならば、自分の財産を使って、ここに橋を掛けて祠を作り、村の人たちに弔ってもらおう」と、この場所に屋根付きの橋を掛けました。この橋は、200年以上経った今でも村の人達の憩いの場所になっています。
VOL.6 タントアン瓦橋 その2(解説:隅野史郎さん)より

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村のおじいさんがパジャマのまま横になって休んでいたり、村の子どもたちとのんびりと過ごしたりしています。近くの田んぼや川からやさしい心地よい風が吹いてきています。

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タントアン瓦橋の中央に祀られている祠には、いつも黄色い菊の花と果物が供えられています。私も訪れる度にお線香をあげてお祈りをします。フエの美しい風景や村人の暮らしが豊かでありますように。

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橋の下では、おじさんがタニシを採っていました。蒸しものや炒めものにするとおいしいです。

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川で魚を捕っている村人もいます。

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乾季でも川の水が涸れることなく恵みをもたらしていますが、秋から冬にかけて雨季を迎えるフエでは、川が何度も氾濫して洪水になってしまいます。

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この柱は、洪水の記録が記されています。地上3mを超えるときもあるようです。タントアン瓦橋が、幾度も川の氾濫に耐えてきたことを思うと、村人の暮らしを支えつづけ、大切な存在であることにあらためて気がつきます。

 

フォトグラファー 青木由希子